国内企業におけるGPUクラウドサービスの認知と利用状況に関する調査結果
GMOインターネットグループが実施した調査は、国内企業に勤務する1,128名のIT部門の責任者や担当者を対象に、GPU(Graphics Processing Unit)クラウドサービスの認知度と利用実態を探るものでした。この調査で、約半数のIT担当者がGPUクラウドサービスを知らないことが明らかになりました。利用率はわずか5.4%にとどまり、普及にはまだ大きな課題が残っていることが示唆されました。
調査の背景と目的
本調査は、2024年7月11日から7月12日にかけて行われ、IT部門の49.5%が「データセキュリティ」を重視する中、「データ主権」の意味が増してきています。特に、GPUクラウドサービスがAIや機械学習において重要な役割を果たすことが期待される一方で、その認知度と実際の利用状況が乖離している状況が浮き出ました。
認知度と利用状況の詳細
調査の結果、IT部門担当者の47.2%は「今回の調査で初めてGPUクラウドサービスを知った」と回答しました。特にAI/機械学習を専門とする担当者の中では認知度が高いものの、一般のIT部門では「聞いたことはあったが詳しくは知らない」人が多いことが分かりました。具体的には、システム開発や運用担当者では49%が「初めて知った」と回答し、研究開発の技術者においても半数以上に達しました。
次に、GPUクラウドサービスの利用率に注目すると、わずか5.4%の企業が実際に使用しています。ほとんどのサービスは海外のものであり、調査対象のうち89.7%がこれに該当しました。これはデータ主権への意識が高まりつつある中でも、国内サービスの利活用が進んでいないことを示しています。
データセキュリティの重要性
さらに興味深いのは、GPUクラウドの利用検討時に重視する要素についてです。調査に参加した半数近くのIT担当者が「データセキュリティ」を重視していると応え、実際にサービスを利用している人ではその割合が66%にまで上がりました。このようにデータの安全性は、企業にとって重大な関心事として浮かび上がっています。一方で、利用料金を重視する人は49.1%にとどまり、実際の利用者では35.1%にしか過ぎないことから、コスト感度が低いことも分かりました。
今後の展望
GMOインターネットグループは、2024年12月に「生成AI向けGPUクラウドサービス」の提供を開始する予定です。このサービスは、国内でのデータ管理に焦点を当てた「ソブリンクラウド」を通じて、高性能なGPUを利用した安全で効率的な環境を提供することを目指しています。これにより、日本市場におけるAI分野の発展に寄与したい考えです。
まとめ
この調査を通じて、GPUクラウドサービスの認知度はまだ低く、利用率も限られていますが、安全性やデータ主権への関心は高まっていることが分かりました。GMOインターネットグループの今後の取り組みにより、国内企業が求めるデータ管理とセキュリティが両立されることに期待が寄せられています。日本のAI産業が今後ますます成長していくために、これらのサービスが重要な役割を果たすことが期待されます。