障がい者雇用の新たなアプローチ
障がい者の雇用が進む中で、近年の日本では形式的な雇用が問題視されています。特に、法定雇用率を達成するために行われる雇用が、真のダイバーシティやインクルージョンの精神に反する場合が多いのです。多くの企業が法定の雇用率をクリアするために、障がい者を能力別に評価し、その結果として雇用の場を一時的に提供するだけでは、真の支援とは言えません。
雇用の実態
障がい者の雇用が求められる中で、スキルを重視し「機能」として人を扱うことが一般的になっています。このアプローチでは、企業側が障がい者に対して必要な配慮を行うための研修を行っている一方、障がい者自身はビジネスマナー研修に特化した教育を受けるという形が見受けられます。このような流れは、障がい者が本来持つ能力を引き出すことを妨げていると言えるでしょう。
人々の期待が過剰になることも問題です。例えば、成功体験を奨励するあまり、自己肯定感を必要以上に重視することが「自己肯定感ハラスメント」と呼ばれる新たな問題を引き起こしています。このような状況では、当事者は疎外感を持ち、結局は本来の潜在能力を発揮できないままとなってしまいます。
セミナー開催
このような現状に対処するため、シチロカ・ソーシャルデザインは1月28日(土)に「自己肯定感からの卒業」をテーマにしたセミナーを開催します。このイベントでは、法定雇用率の達成を目的化しない新しい雇用のあり方が提案されます。特別講師として招かれるのは、応用スポーツ心理学を背景にしたメンタルトレーニングの専門家、辻秀一氏です。
開催詳細
- - 日時: 2024年1月28日(土)13:00-16:00
- - 場所: SHIP 品川産業支援交流施設 会議室
- - 形式: リアル開催およびオンライン開催
- - 対象者: 企業の人事担当者、就労支援事業所の職員
- - 参加費: リアル3000円、オンライン2000円
当日は、参加者が共に理解を深め、交流できる場となります。障がい者雇用の現場で直面する実情や、改善のための実践的なアイデアが紹介される予定です。さらに、シチロカの代表・廣田朱氏も登壇し、福祉と行政の経験をもとに障がい者雇用の課題についてお話しします。
登壇者プロフィール
- - 廣田 朱: 障がい者雇用アドバイザーとして20年以上の経験を持ち、精神・発達障害のキャリア支援にも取り組んでいます。
- - 辻 秀一: スポーツドクター、メンタルトレーニングの専門家。QOL(クオリティー・オブ・ライフ)の向上に寄与するために活動しています。
まとめ
障がい者雇用の新たなモデルを構築するためには、互いの理解と配慮が不可欠です。このセミナーを通じて、より実質的な支援とともに、健全な雇用環境の確立を目指します。関心のある方は、参加予約をお勧めいたします。