減災体力測定プログラムの全貌
災害時、自力で避難できる体力は、安否に直結する重要な要素です。ウィンゲートが開発した「減災体力測定プログラム」は、スポーツ科学に基づき、避難能力を測定し評価する独自のプログラムです。このプログラムは、被災地での実体験から生まれ、一人でも多くの人々が自力で安全に避難できるようサポートしようとしています。
プログラムの背景
2011年3月11日の東日本大震災で、78階建ての高層ビルで被災したプロジェクトの責任者は、非常階段を昇り降りする厳しい状況を体験しました。この経験から、知識や備蓄だけではなく、自身の体力がいかに大切であるかを痛感し、体力測定プログラムを開発しました。「最後の砦は自分の体力だ」という信念のもと、ウィンゲートはこのプログラムを推進しています。
プログラムの構造
このプログラムのユニークな点は、結果を「できるかどうか」という尺度ではなく、5段階の認定で評価するところにあります。参加者は、以下の5つのレベルに分類されます。
- - S級: 救助者レベル
- - A級: 自立避難+支援
- - B級: 自立避難可能
- - C級: 条件付き避難
- - D級: 避難支援必要
これにより、個々の避難能力が可視化され、地域の防災リーダー候補となる人材や優先避難が必要な人の把握が容易になります。加えて、測定結果に基づく個別改善プログラムも提供されるため、継続的な運動が促進されます。
測定項目の詳細
本プログラムでは、以下の5つの測定項目を通じて避難能力を評価します:
1.
椅子立ち上がり - 家具の下からの脱出や階段昇降の脚力を測ります。
2.
片足立ち - 暗闇や瓦礫の上でのバランス能力を評価します。
3.
物資搬送 - 避難所へ非常用物資を運ぶ筋持久力を測定します。
4.
四方向ステップ - 障害物を回避する敏捷性を評価します。
5.
低姿勢移動 - 煙が充満した空間を低い姿勢で避難する全身持久力を測ります。
プログラムの導入メリット
企業や自治体にとって、このプログラムは防災計画策定や健康経営の一環として非常に有益です。実績を積むことで、組織のエンゲージメント向上にも寄与し、SDGsの観点からも健康と安全を確保する取り組みとして評価されるでしょう。
企業へのメリット
- - 実践的なBCP強化
- - 健康意識の向上による医療費削減
- - 組織の一体感向上
自治体へのメリット
- - 客観的データに基づく避難計画
- - 様々な事業の連携による効率化
参加者の声
実際に地域防災訓練で試行した参加者からは、「自分が想像以上に動けないことを実感した」といった反響が寄せられ、プログラムに対する意識の高さが示されました。運動不足を感じ、自身の体力を見直すきっかけになるとの声も多く見受けられました。
未来への展望
ウィンゲートは、今後も全国的な測定会を実施し、自治体や企業との連携を深めていく予定です。また、GIS要支援マップとの連動システム開発やさまざまな研究機関との共同研究など、未来に向けた展開が期待されています。このプログラムを通じて、より安心で持続可能な防災社会の実現を目指していきます。