大人用紙おむつの購入動向調査2024の結果
株式会社小学館が運営する『介護マーケティング研究所 by 介護ポストセブン』が、2024年に実施した「大人用紙おむつ購入動向調査」では、初回に購入したメーカーを継続して利用している人が約70%に達するといった興味深い結果が明らかになりました。この調査は、介護中の排泄ケアに関する実態を探るもので、デリケートな側面が多いためなかなか表面化しにくい問題に焦点を当てています。
調査概要と方法
調査は、2024年11月15日から12月9日までの期間に、介護ポストセブンの会員として登録された「介護のなかま」から7498名の回答を集めました。その中で有効回答者は4783名で、結果はメーカー選定において顕著な傾向を示しています。具体的には、大人用紙おむつを初めて購入した際に選択したメーカー名や、その理由、購入先などが尋ねられました。
主要な調査結果
1. 初回購入メーカーの選定
調査によると、初めて購入した紙おむつで最も選ばれたメーカーは「ユニ・チャーム(ライフリー)」で、回答者の53.43%がこのブランドを選んでいました。次いで、「大王製紙(アテント)」が23.18%、そして「花王(リリーフ)」が12.42%という結果でした。市場シェアとほぼ一致するこの数字は、実際の利用動向を反映しています。
2. 購入理由
初回購入で「ユニ・チャーム」を選んだ理由として最も多かったのは「吸水性」で44.93%。加えて「履きやすさ」や「入手のしやすさ」も重要視される要素であり、特に介護をする側の負担軽減が強調されていることが伺えます。その背後には、介護者が限られた時間で効率的な選定を行う必要があるという実態があると考えられます。
3. リピート購入の傾向
「同じメーカーを継続して購入している」と回答した割合は68.90%に達し、初回の選択がその後の購入行動に強く影響していることがわかります。介護をしている人の多くが、初回の選択肢を維持することで、介護業務を円滑に進めようとしています。これに対して、約31%が異なるメーカーに切り替えており、何がその理由なのかを探る必要があります。
購入場所の変化
初回購入は主に生活圏内の店舗が選ばれる一方で、2回目以降はネット通販が多く利用されることが明らかになりました。それに加え、クーポンやポイント制度が購買動機に影響していることも興味深いです。利用する理由として「サービスの利便性」や「割引」が挙げられており、経済面も重要な要素であると言えます。
4. デザインや心理的要素
また、「紙おむつ」という商品を購入することに対する抵抗感や、外見的なデザインが選定に影響を与えることが調査からわかりました。特に、「持ち歩く際に恥ずかしさが少ないデザイン」が求められる傾向が見受けられ、今後の開発においてはデザイン戦略が重要になるでしょう。
まとめ
調査結果からは、初回の購入メーカーを引き続き使用することが介護を行う人にとっての負担軽減に寄与しているとのことが浮き彫りになりました。今後、介護業界のメーカーは、介護者と介護対象者の双方のニーズを考慮した商品開発やマーケティング戦略を練る必要があります。データの詳細やその他の結果については、介護マーケティング研究所にお問い合わせください。