ジェンダー平等研修の導入に向けて
近年、日本企業におけるジェンダー平等の重要性が増しています。国際的な視点からも、ジェンダー格差が日本の企業や社会に深刻な影響を与えていることが明らかになっています。こうした中、一般社団法人パートナーシップ協会が提供する新たな「ジェンダー平等研修」はその解決に向けた一歩となることが期待されています。
企業向け研修の目的
この研修は、企業が業績を向上させるために、そしてリスクを低減させるために必要な知識や技術を社員に提供することを目的としています。企業が抱えるジェンダーに関する偏見や課題を明確にし、理解を深めることで、より良い職場環境を実現する手助けをします。特に男女平等を理解し、実現することが経済の成長にどのように寄与するのかを示しています。
ジェンダーに関するデータと現状
世界経済フォーラムの2021年の「ジェンダー・ギャップ指数」によれば、日本は156か国中120位という結果を示しています。これは、日本国内での性別による賃金格差や昇進格差の問題を浮き彫りにしています。このような問題を解決するためには、企業キャンパスでの教育が不可欠です。研修の内容には、歴史的背景や現在の社会の課題、さらには企業内での適切なジェンダー対策が含まれています。
研修の内容と進行
研修は3時間のセミナー形式で提供され、コロナ禍の影響も考慮しオンラインで実施される予定です。将来的には、対面での開催も検討しています。対象規模は社員50名以上で、2022年1月末から随時、受け付けています。内容は、ジェンダー平等の歴史、ジェンダーギャップの社会課題、企業におけるジェンダーハラスメント対策など、多岐にわたります。
企業が取り組む意義
企業がこの研修に参加する意義は大きいです。研究によると、ジェンダー平等を実現することで、経営資産の指標であるROE(自己資本利益率)やEBIT(利息・税金前利益)が1割から2割向上し、イノベーション力も6倍に増加する可能性ががあります。これまでの常識では、男女の賃金や昇進の格差が企業の存続にも影響を及ぼすとされており、グローバル市場での競争力を高めるには、男女平等の理解が不可欠です。
既存研修との違い
この研修は、一般的なインクルーシブ研修や多様性研修とは異なります。ジェンダー問題に焦点を当て、特に個々の企業が抱えるバイアスやハラスメントに対する理解を深めることが求められます。このプロジェクトは、特に男性経営者を対象とし、職場全体でジェンダーの理解を促進することを目指しています。
社会の変化を受けて
近年、日本社会全体のジェンダー意識は徐々に変化していますが、依然として根強いバイアスが残っているのも事実です。例えば、会議での男女の発際時間が異なる場合、一方に偏った評価が行われがちです。これは無意識の偏見に根差したものであり、正しい評価制度が求められています。したがって、この研修を通じて、企業はより公平な評価制度を導入するための知識を得ることができます。
お申し込み方法
「ジェンダー平等研修」の参加申し込みは、公式HPのお問い合わせフォームより行えます。詳細は
こちらをご覧ください。
まとめ
一般社団法人パートナーシップ協会が提供する新しい「ジェンダー平等研修」は、企業が抱える多くの社会的課題に立ち向かうためのツールといえます。この研修を通じて、持続可能でより良い職場環境をすべての社員が享受できることを目指します。