三省製薬の一貫生産体制
三省製薬株式会社は、福岡県に本社を置き、美容成分の開発から化粧品バルクの製造、充填・包装までの全プロセスを自社で行い、業界でユニークなビジネスモデルを展開しています。社長の陣内宏行氏によると、「より良い成分、より良い化粧品」という理念の下、佐賀工場での一貫生産を遂行し、高品質な製品を提供しています。
佐賀工場の特徴
佐賀県鳥栖市に位置する三省製薬の工場は、交通アクセスにも恵まれており、2021年には新たに美容成分の製造を行う工場を新設しました。これにより、化粧品の中身となるバルクの製造から充填・包装まで、すべてを一貫して行うことが可能になりました。この一貫体制により、品質を保ちながら効率的な生産を実現しています。
高品質の追求
三省製薬が考える「高品質」とは、お客様が求める品質を実現することです。そのために、再現性の高い製造工程を確立し、設計通りの製品を提供できるよう努めています。技術向上のために、自社ブランドの「デルメッド」だけでなく、OEMやODMにも対応しています。生産現場では、ラインの効率化を図るために、作業員の意見を取り入れた改善策が日々実施されています。
陣内社長の理念
陣内社長は、美しい工場が良質な製品を生み出すことを信じています。彼は、ブラジルでの経験から生産環境の重要性を学び、工場内の5S(整理、整頓、清潔、清掃、躾)を徹底する方針を掲げています。美しい工場が生産性や効率を向上させ、社員の活力にもつながると考えています。
業界のトレンドと学び
陣内社長は、トヨタ自動車やスティーブ・ジョブズのアップルからも学びを得ており、業界の違いを超えて品質管理の重要性を理解しています。特に、製造過程での細かい注意深さが高品質につながるとし、「神は細部に宿る」という理念を実践しています。
人材育成と技術の共有
三省製薬では新しい取り組みとして、デジタルツールを用いて製造技術を新人社員に伝承する制度を導入しています。動画を使って「ちょっと開ける」「コンコンと叩く」といった職人技を可視化し、教育しています。この取り組みによって、従業員間でのコミュニケーションや技能の共有が進み、全体の製造品質の向上に寄与しています。
充填と包装の効率化
ライン生産部では、充填と包装工程を一つにすることで作業効率を大幅に改善しました。これにより腰への負担が軽減され、作業のスピードも向上しました。この提案の成果により、ラインリーダーである岩橋しのぶは「佐賀工場スター オブ ザ イヤー」を受賞し、チーム全体の士気も高まりました。
環境に配慮した取り組み
佐賀工場では、ISO9001、ISO22716(化粧品GMP)、COSMOS認証を取得しており、品質管理とともに持続可能な製品作りにも力を入れています。環境に配慮した原材料調達や製造プロセスを導入し、消費者に安心して使ってもらえる製品開発を目指しています。
工場見学の実施
三省製薬では、一般のお客様向けに工場見学会を毎月実施しており、製造ラインを見る貴重な機会を提供しています。また、ブランドの魅力を伝えるための体験レッスンも行っており、お客様とのコミュニケーションを大切にしています。参加は無料で、中学生以上が対象です。
美しい工場から生まれる高品質な化粧品と三省製薬の情熱。今後も彼らの挑戦を応援し続けたいと思います。