NTT ComとTXP Medical、医療データの新たな時代を切り開く資本業務提携

NTT ComとTXP Medicalの資本業務提携

NTTコミュニケーションズ株式会社（NTT Com）とTXP Medical株式会社（TXP Medical）は、2024年10月に資本業務提携の契約を締結しました。この提携により、両社は秘密計算技術や各種クラウドサービス、医療データの標準化ノウハウを駆使し、セキュアで高付加価値なデータ分析サービスの提供を目指します。

提携の背景とは？

近年、製薬企業が注目する創薬ターゲットは、がんや希少疾患などの未解決医療ニーズ分野へとシフトしています。このような背景から、より詳細な医療データの分析が求められるようになっています。しかし、これらのデータは個人情報保護の観点から扱いが難しい場面も多いのです。

特に、医療データの取り扱いにはプライバシー保護に関する規則が厳格であり、その取り扱いにはさらなる留意が求められています。ここで注目されるのが、秘密計算をはじめとするプライバシー強化技術（PETs）です。OECDなどが推進するこれらの技術により、機微性の高いデータを安全に取り扱うことが可能になります。

両社の強みを生かしたデータ分析

TXP Medicalは、日本最大級の検査値項目を持つ臨床データと専門医による医学的知見を有しています。一方、NTT Comはデータプライバシー保護の最前線である秘密計算技術を持っています。この両社の強みを融合することで、医療データの高付加価値な分析が可能になるのです。具体的には、NTT Comが提供する「Smart Data Platform for Healthcare」と秘密計算サービス「析秘(R)」を活用し、TXP Medicalの提携医療機関から取得した臨床データに基づく分析結果を製薬企業などに提供します。

この新たなデータサービスの開発により、製薬企業が複数の医療機関のデータを安全かつ効率的に活用できるようになります。これにより、医療現場の効率化が図られ、その結果として患者のアウトカムの向上にも寄与することが期待されます。

提携の詳細と今後の展望

この資本業務提携により、両社は人材交流やノウハウの共有を行い、データ分析技術の強化を図ります。また、共同で顧客への提案を行い、それぞれの専門性を生かして問題解決につなげていく方針です。

NTT Comの福田亜希子著ビジネスソリューション本部長は、「この提携により、製薬業界を中心に安全で高付加価値な医療データ分析サービスを提供できると確信しています」とコメントしています。また、TXP Medicalの園生智弘代表取締役は、「医療データで命を救うことを目的に革新的なサービスを創出していく」と述べ、積極的な姿勢を示しています。