次世代タンパク質開発の先駆者、フェルメクテスの出資受けました
慶應義塾大学の研究成果を背景に誕生したスタートアップ、フェルメクテス株式会社が注目を集めています。最近、慶應イノベーション・イニシアティブ(KII)からの出資を受け、同社は総額2.5億円の資金調達を完了しました。この出資は、持続可能なタンパク源としての可能性を秘めた「kin-pun®」という新たな食品の開発に向けたものです。
フェルメクテスとは
フェルメクテスは、山形県鶴岡市を拠点に、発酵を利用した新しいタンパク質素材の研究と製造を行っています。正式に設立されたのは2021年7月で、代表取締役の大橋由明氏が率いるこの企業は、納豆菌由来のタンパク質の研究を強みにしています。特に、慶應義塾大学先端生命科学研究所で培った微生物発酵技術を活用しており、独自の製品「kin-pun®」を開発中です。
環境に優しい未来の食材
世界的な人口増加が進む中、持続可能なタンパク質のニーズは急速に高まっています。フェルメクテスは、アップサイクル原料の活用を通じて、大型培養槽での納豆菌培養技術を開発しています。これにより、環境負荷を軽減する供給モデルを実現することを目指しています。
実際、フェルメクテスの製品は数千人に試食されており、高い評価を得ています。タンパク質食品に対する消費者の拒否感、つまり“食経験”の壁を乗り越え、次世代の食文化には欠かせない存在になる可能性があります。
KIIの意義
慶應イノベーション・イニシアティブ(KII)は、大学発スタートアップを支援する目的で2015年に設立されました。最近では、医療や健康などの課題解決に向けた投資を行うインパクトファンドも立ち上げています。KIIのミッションは、「その研究が、その発明が、社会を変えるまで」とされており、アカデミアから生まれるイノベーションを社会に実装することが重視されています。
この度の出資は、特にインパクトの大きいプロジェクトとして位置づけられており、フェルメクテスは納豆菌由来の食品の社会実装を加速させるための技術をさらに発展させることでしょう。
今後の展望
今回の資金調達を通じて、フェルメクテスは培養技術のスケールアップや製品ラインアップの拡充を目指しています。また、翌年以降の製品販売を見込んでいる意向も示しており、消費者にとっても新たな選択肢が増えることでしょう。
持続可能な食材の開発は、地球環境を守りながら、新しい食文化を形成する上で非常に重要です。今後、フェルメクテスがどのように成長し、社会に貢献していくのか、今後の動向に注目が集まります。
会社概要
- - 会社名:フェルメクテス株式会社
- - 所在地:山形県鶴岡市覚岸寺字水上246-2
- - 設立:2021年7月
- - 事業内容:新タンパク素材の研究・開発・製造・販売
- - URL:フェルメクテス公式サイト
この情報は、発表日現在のものであり、具体的な内容は今後変更される可能性があります。