梅沢和木個展が麻布台ヒルズで開催
2025年の秋、東京都港区麻布台ヒルズにて、アーティスト梅沢和木の新たな展示が行われます。個展のタイトルは「刻まれたキメラ、隙間から見えるコア」。
この展覧会は、10月25日から11月23日までの約一か月間開催される予定で、全ての作品が新作で構成されています。
展示の内容
梅沢和木は、インターネットの画像を再構築する独自の技術で知られており、本展でもその特異な手法を駆使した作品を展示します。彼の作品は、SNSの黎明期から現在にかけての表現の深化を感じさせるもので、訪れる人々に新たな視点を提供することが期待されています。
本展の中心となるのは、梅沢がこれまで取り組んできた「インターネットから採取した画像の再構築」です。この手法は、細密画のような緊張感を持つ画面が立ち上がっており、観る者に強い印象を与えます。特に、2009年の彼の代表作《ラヴォス》を思わせる濃密な作品群が並び、過剰に細分化されたイメージが一つの作品として自立する様子は圧巻です。
遠くから見ると、その作品は抽象画のように見えますが、近づくと構造や色彩の手触りが初期の梅沢作品を彷彿とさせ、懐かしさを伴います。現代の情報社会において、懐かしさを呼び起こす作品は、観る人に安らぎをもたらすでしょう。
アーティストステートメント
梅沢自身は、今のインターネットの状況に対して感慨を抱いています。日々のタイムラインの中で無数の画像や報道が混ざり合う中で、彼は画像を集め、再構築する作業を続けています。
「インターネットは情報で溢れている」という言葉が浸透して久しい今日、梅沢はその複雑な情勢の中でも、希望を見出そうと試みているようです。彼は「過剰に刻まれた画像は、情報の海に耽溺する自分自身でもある」と語り、その反映として作品を表現します。
会場情報
個展の会場となる「Gallery & Restaurant 舞台裏」は、麻布台ヒルズ内に位置し、アート作品の鑑賞だけでなく、飲食も楽しめる空間です。お酒を片手に、アートに触れた後の感情を誰かと分かち合うといった体験を提供します。また、訪問者は、展示を観て感じたことをそのまま共有できるオープンな雰囲気が魅力です。
このギャラリーは、アクセスが良く、車椅子やベビーカーの入場も可能なバリアフリー設計がされています。