つくば市と「KANNA」が実現した公共施設業務の効率化
つくば市が現場DXサービス「KANNA」を使用して、公共施設の整備業務を効率化するための実証実験の最終報告を発表しました。これは、株式会社アルダグラムが開発したサービスで、業務の負担軽減と情報共有の迅速化を目指したものです。
実証実験の背景と目的
つくば市では、人口の増加に伴い公共施設の新設や改修が続いていますが、その一方で、職員の不足や紙ベースでの管理が主流であるため、業務の負担が大きくなっています。特に以下の課題が浮き彫りになっていました:
1.
業務の属人化 - 情報の共有が困難で、他の職員が最新の進捗を把握しづらい体制に。これにより、業務の統一化が難しく、引継ぎが不十分になりがちでした。
-
タスク・工程管理の煩雑化 - 少人数で280件の業務を管理しなければならないため、タスクが多岐にわたり、管理が難しくなっていました。
2.
非効率な連絡手段 - メールの使用が主で、庁舎内でしか利用できないため、業務のレスポンスも遅く、スムーズな情報のやり取りが難しい状況でした。これらの課題を解消するために「KANNA」の導入が決定されたのです。
実証実験の対象物件
この実証実験には、公共施設の設計や修繕工事に対する「KANNA」が導入されました。具体的には、以下のような業務において検証が行われました:
- - 小学校及び中学校の建設工事
- - 陸上競技場整備やその設計業務
- - 約130件の修繕工事の予算算出
実証実験の成果
効果1: チャット機能の活用
多くの職員が「KANNA」のチャット機能を活用した結果、残業時間が約26.5%削減されました。外出中でも情報共有が行えるため、タスクの進捗が把握しやすくなり、労働時間をより効率的に使用できました。
効果2: 参加企業からの好評
実証実験に参加した協力会社の約80%が業務効率化を実感しており、特に業種によっては一時的なフォローアップが必要な場合もあったものの、全体的には高評価でした。
効果3: 情報の一元化
複数のシステムを使い分ける必要がなくなり、情報が一元化されました。これにより、スタッフ間で重要な不具合情報なども即座に共有できるようになり、業務の透明性が向上しました。
今後の展開
今回の実証実験を通じて、つくば市は「KANNA」の導入を更に検討することになりました。特に、タスク管理や情報共有の効率化により、災害や緊急時にも迅速な情報収集と対応が可能になると考えられています。今後、公共施設整備課に留まらず、他の部署でも「KANNA」が利用されることが期待されます。
まとめ
つくば市における現場DXサービス「KANNA」の実証実験は、公共施設の整備業務を効率化する可能性を示しました。業務の負担軽減や情報共有の迅速化が実現することで、今後の展開に大いに期待が寄せられています。加えて、業務に使われる新しいデジタル技術が、関係者の連携をより深め、公共の利益に寄与できることを願っています。