久石譲、約1年半ぶりのパリ公演で観客の心を掴む

2023年2月9日と10日、作曲家の久石譲がパリで魅力的な公演を行いました。約1年半ぶりのフランスでの演奏ということで、熱心なファンや音楽愛好家が集まりました。会場は世界的に有名なオーケストラ、「パリ管弦楽団」が本拠にするフィルハーモニー・ド・パリ。

チケットは発売からわずか3時間で売切れ、彼の音楽への期待感の強さが伺えます。公演は、久石が指揮を務めるミニマル曲の大作「East Land Symphony」でスタート。これは東日本大震災を受けて創作された作品であり、前半が見事に締めくくられました。続く後半では、彼自身がピアノを演奏する名曲「Summer」を披露し、会場を一層盛り上げました。

さらに、「千と千尋の神隠し」のオーケストラ版が演奏されると、観客からは感動の声があがり、スタンディングオベーションが起こる熱気に包まれました。特に印象的だったのは、アンコールでの「となりのトトロ」。この楽曲が始まると、客席には興奮が広がり、涙ぐむ人々も見受けられました。老若男女問わず、久石への熱いラブコールが響き渡る瞬間は、心を打つものでした。

観客の中には、久石の音楽が自分の人生そのものであると語った若者もおり、彼の楽曲が多くの人々に深く影響を与えていることを実感させられました。会場にいた40代の男性も「(2011年に行われたパリでのチャリティコンサート以来)8年間待ち望んでいた」と話し、久石のメロディが心に響くことを実感していました。

今後、久石は2月14日にベルギー・ブリュッセルでも公演を予定しており、その後フランスのリヨンでもコンサートが続きます。また、日本では4月に東北での「久石譲スプリングコンサート Vol.1 ～仙台フィルとともに」が開催される予定です。久石譲の音楽は、時を越え、国を越えて多くの人に愛され続けていることを再確認させる公演でした。