宿泊業に特化した日本語教育プログラムの新展開

日本旅行株式会社とZenken株式会社は、2023年10月1日付で業務提携契約を締結し、主に宿泊分野で働く特定技能人材向けの日本語教育プログラムの開発に着手しました。この取り組みは、宿泊業界において必要とされる語学力を向上させることを目的としています。

現在の宿泊業界の課題

厚生労働省の調査によると、日本では2023年6月末時点で148万人の「未充足求人数」が存在し、特に宿泊業や飲食サービス業が33万人と最も多いという現実があります。日本で働く外国人特定技能人材は年々増加中ですが、彼らにとって日本語を学び、宿泊施設で効果的に業務を行うことは大きな挑戦となっています。このため、宿泊施設側でも外国人労働者が効率よく日本語を学べる環境を整える必要があるのです。

提携の背景と目的

この課題を解決するために、旅行業界で100年以上の歴史を持つ日本旅行と、約50年にわたる質の高い教育サービスを提供するZenkenが協力することにしました。両社はそれぞれの専門性を生かし、宿泊施設で必要な接客スキルやマナー、専門知識を取り入れた日本語教育プログラムを共同開発します。

日本旅行が提供する接客に必要な情報を基に、Zenkenがオンラインで使える形式でプログラムを作成します。第一段階としては、日本語能力試験N4レベル相当の教育プログラムを設計し、日本旅行の取引先も含めた宿泊施設に提供する予定です。次の段階では、特定技能2号の合格を目指し、N2からN3レベルのさらに高度な日本語プログラムを開発します。

日本旅行とZenkenの企業紹介

日本旅行株式会社は1905年に創業し、現在の旅行業において最も歴史ある企業の一つです。地域との連携を深めながら「地域の社会課題の解決」に取り組む姿勢は今も変わりません。

Zenken株式会社は1975年に設立され、Webマーケティングから日本語教育まで多岐にわたる事業を手掛けています。特に外国人介護人材の教育と定着支援でのノウハウを活かし、質の高い教育サービスを提供しています。2024年8月からは宿泊分野の特定技能人材育成のためのプログラムも準備しています。