デジタルネイティブ世代に広がる終活観とは？SNSアカウントの扱いに悩む若者たち

デジタルネイティブ世代における終活の新しい視点

現代の若者、特に20代から30代の未婚のデジタルネイティブ世代は、これまでとは異なる終活の価値観を持っていることが、燦ホールディングス株式会社による調査で明らかになりました。この調査では、SNSアカウントの取り扱いや理想とする最期の迎え方などが焦点となっており、デジタル時代に生きる彼らの心理が反映されています。

SNSアカウントへの懸念

調査結果によると、自分のSNSアカウントが死後も残ることについて、「残ってほしくない」と答えた人は47.7%に達しました。これは、プライバシーの保護や、アカウントが放置されることに対する強い懸念を示しています。

デジタルネイティブ世代にとって、SNSは自身の人生の足跡を記録する重要な場所でもありますが、その一方で、死後にそのアカウントがどうなるのかということには非常に敏感です。「デジタルな痕跡を無管理な状態で残したくない」という意識が新たな終活のテーマを浮き彫りにしています。

終活のスタート時期と興味の対象

調査によれば、終活を始める時期としては50代から60代が最も多く、多くの人が人生の区切りとなるタイミングで始めたいと考えていることが分かりました。具体的な終活の内容としては、「持ち物を処分・整理」が43.7%、次いで「デジタル終活」が29.3%という結果となり、物理的な整理だけでなくデジタル面での整理も重要視されています。

理想の最期の迎え方とは

また、理想の最期を迎える方法について調査したところ、「一人で静かに」が47.7%で最多という結果が得られました。他方で「家族に看取られたい」と考える人も34.0%に達しており、家族との関係を重視する傾向が見られます。さらに、SNSで自分が亡くなったことを知らせてほしいかと尋ねたところ、「思わない」が57.7%となり、多くの人がこの広範なプラットフォームで情報が拡散されることを望まないという意識がうかがえました。

プライバシーを重視する現代の意識

近年、終活は国を問わず重要視されており、ネット上でカジュアルに死について語る交流も増えています。特にこの世代は、自身のプライバシーを強く意識しており、SNS上での情報が無断で広がることに敏感です。それに伴い、死を迎えた後のSNSアカウントの扱いには、「残したくない」という声が多いのはそのためです。

さらに、納骨方法についても多様化が見られ、自由な選択を求める傾向が強まっています。樹木葬や散骨を希望する層が増え、伝統に囚われず自然体で人生の最期を迎えたいという価値観が反映されています。

まとめ

全体的に見て、デジタルネイティブ世代の終活観には、自己のプライバシーを守り、個を重んじるような新しい価値観が色濃く現れています。SNSでの情報の取り扱いや自身の人生の終え方についての考え方は、今後ますます重要なテーマとなるでしょう。デジタル時代に生きる若者たちが、自身の人生をどう締めくくりたいと考えているのか、彼らの思いを反映した調査結果は、意義深いものでした。