中級日本語教材『上級へのとびら』リニューアル
2009年から親しまれてきた日本語学習者向けの教科書『上級へのとびら』が、待望の改訂を迎えました。新しいシリーズ『中級日本語 とびらⅠ』と『中級日本語 とびらⅡ』が2025年9月25日に発売され、電子版も同時にリリースされる予定です。この新たな試みは、幅広いニーズに応えるために、従来の1冊を2冊に分けるという大胆なアプローチを採用しています。
教材の特徴
新シリーズでは、中級前半を『中級日本語 とびらⅠ』(L1-L8)、中級後半を『中級日本語 とびらⅡ』(L9-L15)として再構成されています。旧版の各課のテーマはそのまま生かしつつ、情報のアップデートや新たな要素が盛り込まれており、日本語学習者にとってより魅力的な内容へと進化しました。
1. アップデートされた情報
各課の「読み物」や「会話文」の内容が刷新されており、学習者にとって親しみやすく、かつ実践的なコミュニケーション能力を高める工夫がされています。また、テーマごとの「できること(Can-do)」を設定し、日本語教育において求められる「読む力」「聞く力」「書く力」「会話力」「発表力」など5つの力をバランス良く育成する手助けをします。
2. より主体的な学びを促進
新たに追加された「プロジェクト」は、各ユニットの最後に設けられており、学習者が主体的に取り組むことで知的好奇心を喚起します。発表活動や産出活動を多く取り入れることで、実践的なスキルを磨くことが可能になっています。
3. わかりやすい到達目標
各課の冒頭には「できるリスト」が提示され、学習者はその課で目指すべき到達目標を明確に把握できます。これにより、学習のモチベーションを高めることが期待されています。
4. 読み物と会話文の工夫
新版では「読み物」が初級者向けと中級者向けの2つに分かれており、それぞれのレベルに応じた内容が提供されています。また、「会話文」には新たに聞き取り練習が導入され、実践的な学習が促進されます。
5. さらに深い学びを提供
ウェブサイトでは音声配信や追加のアクティビティが用意されており、学習者が更なる深い学びを実現できるリソースが提供されています。
著者と出版社
この教材の背後には、専門家たちが集結しました。岡まゆみ氏をはじめとする多様なバックグラウンドを持つ著者陣が、内容の充実を図っています。さらに、このシリーズは株式会社くろしお出版から発行されており、長年にわたり日本語教育に寄与してきた出版社です。
まとめ
『中級日本語 とびらⅠ』と『中級日本語 とびらⅡ』の登場により、この新しい教材は中級日本語学習の新たなスタンダードとなることでしょう。学習者は、改訂された内容を通じて、より実践的で充実した日本語の学びを実現することが期待されています。教育現場での活躍が今から楽しみです。