研究者たちは、膀胱がん患者469人の組織を対象に「多重免疫蛍光法」を用いて解析を行いました。この研究により、膀胱がん組織内に見られる免疫細胞の集まり方が、患者の治療後の経過に関連していることが明らかになりました。特に、リンパ節に似た小さな構造(mTLS)が、22.2%の患者に確認され、ここにはB細胞やCD8陽性T細胞が集まっていることが特徴です。化学療法後に免疫チェックポイント阻害薬で維持療法を受けた患者の一部でも、mTLSが存在する場合に治療効果が向上する傾向が見られましたが、さらなる確認が必要です。
さらに、この研究では、マウス実験を通じて、CXCL13という免疫細胞を引き寄せる分子と抗がん剤の併用により、がん組織内に免疫細胞が集積し、それによって腫瘍増殖が抑制される可能性も示されました。この知見は、免疫細胞が集まりやすい環境を作ることが、今後の免疫療法の効果を増強する鍵になるかもしれません。
国立がん研究センター、川崎医科大学、大阪医科薬科大学の三者による共同研究として進められたこのプロジェクトは、2026年10月30日に発表され、Clinical Cancer Research誌でも取り上げられる予定です。研究は、JSPS科研費の若手研究などによて提言され、さらなる研究へと繋がっていくことが期待されています。これにより、患者それぞれに適した治療法やその順番を考えるための新しい手がかりが得られることでしょう。
この成果が、早期に実践的な治療法に結びつくことが望まれています。今後の研究進展に目が離せません。