小野測器、新たなEV開発支援サービスを発表
1954年に設立されて以来、電子計測器の製造や販売に注力してきた小野測器が、今度は次世代EVの開発支援を目的とした新しいサービス「ベンチマーキングレポート販売」を開始しました。このサービスは創業以来初めての取り組みで、カーボンニュートラル社会への貢献を目指しています。
新サービスの概要
新たに提供される「ベンチマーキングレポート」には、中国の大手EVメーカーBYDのミドルサイズSUV「元PLUS」(日本名ATTO3)に関する詳細な計測データが収録されています。このレポートでは、小野測器の持つ音響・振動に関する高度な計測技術を活用し、モーターやインバーターからの振動と音のデータを解析しました。さらに、年間で4車種のデータを追加する計画も立てられています。
追加されたレポートメニュー
今回の第二弾として追加されるレポート項目は全8項目に及び、EV開発に必要な多様なデータを提供します。
- - モーター・インバーター振動: 低速域から高速域にかけての振動を3軸加速度検出器を使って測定・解析しました。
- - モーター・インバーター音: 各面にマイクを設置し、様々な速度域で音の測定を行いました。
- - 車室内騒音: 運転席と助手席での騒音レベル評価を行い、快適性に寄与する情報を提供します。
- - 電費・航続距離: WLTCモードに基づき、実際の電費と航続距離のデータを詳細に分析しました。
小野測器の強み
小野測器は、自社の計測器技術を背景に、電子部品だけでなく、さまざまな業界への研究開発支援を行ってきました。特に音響や振動の計測への取り組みは、他社とは一線を画す強みとなっています。これまで、二輪・四輪車や航空機、建設機械といった幅広い分野において、精度の高い測定技術を提供して参りました。
カーボンニュートラル社会の実現に向けて
小野測器は、ベンチマーキングレポートを通じて、EV開発に挑む企業にとって欠かせない情報源となることを目指しています。高度化する自動車技術の中で、スピーディーなデータの取得と分析はEVメーカーにとって重要です。これにより、同社はカーボンニュートラルの実現に向けた取り組みをさらに加速させる意向を示しています。
まとめ
小野測器の新サービスは、EVメーカーにとっての強力なサポートとなり得るでしょう。計測技術の革新を通じ、持続可能な社会に貢献するための道筋を示していると言えます。