特別講義「アート・エンタテインメント」がもたらす新たな視点
2025年7月23日、ZEN大学コンテンツ産業史アーカイブ研究センター(HARC)と立命館大学アート・リサーチセンター(ARC)による共同研究の記念として、特別講義「『アート・エンタテインメント』学ぶ、創る、残す~伝統から現代まで~」がオンラインで開催されます。本講義では、日本の表現文化資源の重要性や、AI時代における著作権の課題についての深い議論が展開されます。
講義の主な内容
この講義では、HARCの所長である細井浩一氏と、ARCのセンター長赤間亮氏が登壇し、両センターの活動やデジタルアーカイブの意義についてお話しします。「学ぶ」「創る」「残す」というテーマを通じて、日本の文化がいかに継承されていくべきかを探求します。
デジタルアーカイブの重要性
日本政府は、2025年に策定された「デジタルアーカイブ戦略 2026-2030」において、文化的コンテンツのデジタル保存とその活用を重視しています。特に、ゲームやアニメ、マンガといった日本のコンテンツ文化は、国内外での観光促進だけでなく、文化影響力の発信にも寄与しています。
対する一面として、これまで日本のコンテンツ業界を支えてきた人々の証言が失われつつある現状もあります。このような背景から、アーカイブの作成は急務といえるでしょう。
ZEN大学HARCの取り組み
ZEN大学HARCは、コンテンツ産業の歴史を記録するためのアーカイブの構築を目指し、一次資料の収集・保存を行っています。特に、業界人の証言も含めたオーラル・ヒストリーの収集は、過去の歴史を未来につなげる重要な役割を果たします。この共同研究も、そうした取り組みの一環として行われます。
立命館大学ARCの活動
立命館大学ARCは、370年以上の歴史的日本文化資源のデジタルアーカイブを進めており、日本文化の様々な側面を広く網羅しています。250万件以上のデータを収録するデータベースは、アクセス数が900万PVを超え、多くの人が利用しています。これにより、一般の人々が文化資源にアクセスしやすくなることが我々の目指す方向です。
講義の視聴について
本講義はYouTubeおよびニコニコ生放送で無料配信され、誰でも視聴可能です。学問や文化についての理解を深めるための良い機会となることでしょう。
また、講義後には、オーラル・ヒストリーの公開に関する意義や、今後の活動についても触れられる予定です。特に、7月28日にはニコニコ美術館とのコラボ番組も放送予定で、アーカイブを美術館として見立てた新たな試みも行われます。
まとめ
次世代に向けた文化の保存と創造を考える上で、アーカイブの重要性はますます増してきています。今回の特別講義を通じて、その理解を深めると同時に、未来へつながる文化的な架け橋を築く一助となれば幸いです。