朝日生命、PKSHA AIヘルプデスクを導入し業務効率化を図る

朝日生命、PKSHAのAIヘルプデスクを導入

朝日生命保険相互会社は、株式会社PKSHA Technologyのグループ会社であるPKSHA Workplaceが展開する「PKSHA AI ヘルプデスク」を導入し、生成AIの力で社内の文書検索と回答生成を強化する取り組みを始めました。この新しいシステムは、日常的な業務の効率化やナレッジ管理の向上を目指しています。

導入の背景

日本全体で進行する少子高齢化や生産年齢人口の減少は、企業にとって大きな課題となっています。朝日生命においても、数年後には多くのベテラン社員が定年を迎え、内勤職員の数が減少することが予想されています。そのため、会社としてはナレッジマネジメントの必要性が高まり、業務効率化が急務とされています。これを背景に、同社では数年前にFAQシステムを導入しましたが、さらなる効率化を実現するためにAI技術の導入に踏み切りました。

新たに導入された「PKSHA AI ヘルプデスク」では、生成AIを活用して社内文書を検索し、その情報をもとに回答を自動生成します。特に、このシステムが持つドキュメント検索機能（Retrieval Augmented Generation、通称RAG）は非常に便利であり、業務の質を向上させるための重要な役割を担っています。また、FAQも自動生成されることで、継続的なメンテナンスの負担を大きく軽減できます。

導入の概要

朝日生命では、まず12月から一部の部署で新システムの活用を開始する予定です。このシステムは、社内で利用されているMicrosoft Teams上に設置され、すでに登録されているFAQや社内の文書を通じて、問い合わせに対して自動で応答を行います。もし自動応答ができない質問があった場合は、有人窓口にエスカレーションされる仕組みも整っています。

実際に朝日生命で活用されるマニュアルや手続きに関する文書は3,500以上存在しており、これらを生成AIが効率よく検索することで、問い合わせ業務の全体的な削減が期待されています。これにより、従業員の負担が軽減され、より価値のある業務に集中できる環境が整うでしょう。

今後の展望

2025年4月には全ての部署と全社員での使用が可能になるよう進められています。導入初期段階で得た結果をもとに、精度向上と利用方法のブラッシュアップを行い、全社的な取り組みとして展開します。PKSHA Workplaceでは、この「PKSHA AI ヘルプデスク」を中心に、企業のDX推進や未来のナレッジ管理の実現に向けた新たなプラットフォームを構築していく考えです。

デジタル戦略企画部の島田守氏は、「PKSHA AI ヘルプデスク」について、生成AIの自動応答機能にとどまらず、ユーザーが自己解決できる範囲が広がる点や有人チャットへのスムーズな切り替えができる利点を評価しています。このような人間とAIとの協働により、全社の生産性が大幅に向上することを期待しています。この取り組みは、より効率的な組織運営を目指す企業にとって、新たな指針となりそうです。

まとめ

朝日生命が取り組む「PKSHA AI ヘルプデスク」の導入は、AIを活用した業務効率化の未来を示すものです。これにより、社内のナレッジがより有効活用され、全社員が円滑に業務を行える基盤が整うことが期待されています。これからも企業におけるAIの利用が進む中、朝日生命のこの試みは、多くの企業の参考となるでしょう。