株式会社ユーグレナ(本社:東京都港区、代表取締役社長:出雲充)は、経済産業省の支援を受けて、バングラデシュにおける持続可能な航空燃料(SAF)の原料供給に関する調査事業を開始することを発表しました。この取り組みは、SAFの主要原料である使用済食用油(UCO)の回収および油糧作物の栽培を通じて、安定した原料供給網の構築を目指しています。
SAFとその重要性
SAFとは、持続可能な航空燃料を指し、航空産業において温室効果ガスの排出削減に貢献することが期待されています。日本では、2030年までに国内エアラインの燃料の10%をSAFで賄うという目標が掲げられていますが、UCOの供給不足や価格高騰といった課題が大きな障壁となっており、効率的なサプライチェーンの確立が求められています。
バングラデシュの可能性
バングラデシュでは、近年UCO回収事業が進展していますが、SAF向け原料としての油糧作物の栽培にはまだ未開発の部分が多いのが現状です。このプロジェクトによって、バングラデシュがSAF向け原料の新しい供給地としての地位を確立する可能性があります。ユーグレナ社は、すでに10年以上にわたって現地農家との連携を深めており、ソーシャルビジネスを通じた地域貢献も行っています。
ユーグレナの取り組み
同社は「ユーグレナGENKIプログラム」を通じてバングラデシュの子どもたちに栄養豊富なユーグレナ入りクッキーを無償で提供しており、地域の健康改善に寄与しています。このような実績を背景に、SAF向け原料の収集や油糧作物の栽培を新たな産業として育てることにより、現地の雇用創出やCO2排出量の削減を目指しています。
経済産業省による支援
この調査事業は、経済産業省の「令和5年度補正グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金」に採択されており、日本とバングラデシュの経済連携を強化することが見込まれています。調査期間は2025年までを予定しており、UCO回収や油糧作物の栽培に関する実施内容が含まれています。
バイオ燃料事業の拡大
ユーグレナは、バイオ燃料事業の商業化を進めており、マレーシアでのバイオマス生産や、グローバルなエネルギー企業との共同プロジェクトにも取り組んでいます。これにより、SAFの原料供給網の強化を通じて、地球環境の維持にも貢献し続けています。
このように、ユーグレナ社の新たな取り組みは、持続可能な社会に向けた重要な一歩であり、バングラデシュの経済発展にも寄与することでしょう。今後の展開に注目です。