22GHz帯FWAシステムの高度化に向けた新たな技術的条件
令和7年12月8日、総務省は「22GHz帯FWAシステムの高度化に関する技術的条件」の一部答申を公表しました。この答申は、情報通信審議会(会長:遠藤信博氏・日本電気株式会社特別顧問)のもとで行われた審議を受けてのもので、今後の通信インフラ整備に大きな影響を与えることが期待されています。
1. 背景と現状
近年、国内における移動通信トラヒックは年率約1.2倍で増加しています。この流れは、特に5G時代において、BtoB(ビジネス・トゥ・ビジネス)利用の増加やIoT(モノのインターネット)の急速な発展によってさらに加速しています。これに伴い、通信トラフィックの大幅な増加が見込まれています。
その一方で、26GHz帯と40GHz帯において5Gに対応するための周波数確保が急務となっています。この中で、既存の無線システムからの移行先として22GHz帯が選ばれ、そのスムーズな移行のためには安定的で大容量の通信が求められています。
特に、近年の大雨による災害の影響を受けて、22GHz帯FWAシステムが重要な役割を果たすことが期待されています。このシステムは光ファイバーを敷設しにくい地域でも整備できるため、平常時から非常時にかけて地域の通信を維持する強靭なインフラとしての可能性を秘めています。
2. 答申の内容
今回の一部答申には、詳細な技術的条件が含まれています。これにより、22GHz帯のFWAシステムが求められる性能を備え、天候に左右されることなく安定した通信が行えるような基盤の整備が目指されます。
3. 今後の展望
総務省は、一部答申に基づいて関係規定の整備を進める予定です。また、今後の手続きや実施に向けた具体的なスケジュールも発表される見込みです。このことにより、情報通信審議会が提唱した技術的条件が実現に向けて具現化されることが期待されます。
4. 結論
この新しい技術的条件の導入は、通信インフラ全体の品質向上に寄与し、地域の災害時対策や通信の安定性確保に資するものです。今後の動向に注目が集まります。
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