三菱総合研究所が資源循環の新たな道を模索
株式会社三菱総合研究所(MRI)は、令和7年度に経済産業省からの委託を受けて、広域自治体における資源循環システム構築のための実証事業を開始しました。このプロジェクトは、再生プラスチックを含む再生材の供給体制を地域特性に応じて分析・検証し、地域間の連携を深めることを目的としています。
1. 背景と目的
近年、世界的に資源の枯渇や環境問題が深刻化しており、日本でも循環経済の構築が急務とされています。しかし、再生材の利用拡大や地域循環システムの構築は課題が多く、特に自治体間の連携の重要性が高まっています。MRIは、経済産業省の施策の一環として、広域的かつ効率的な循環システムを構築することを目指しています。
2. 実証事業の概要
本実証事業では、地域の特性(大都市圏、地方都市、中小地域)に応じた資源回収・再資源化のスキームを整備し、実際の運用を通じてその効果を検証します。
(1) 大都市圏
大都市圏では、家庭や商業施設からの廃棄物が多く、特定素材(プラスチック製容器包装)の大量回収が期待されています。しかし、高度に選別された大規模施設の新設は困難であり、既存のリサイクル施設においても効率的な回収ルートが求められています。
- - 実証内容: オレフィン樹脂やPET樹脂を対象としたケミカルリサイクルおよびマテリアルリサイクルの実施
- - 目指すもの: 首都圏全体での循環型サプライチェーンのモデル構築
(2) 地方都市
地方都市では、家庭からの廃棄物が主な資源となるため、一定量の回収が可能です。特定素材の廃棄物を一定量以上回収できるため、高度な選別を行うことでリサイクル効率を向上させることが期待されています。
- - 実証内容: 家庭からの廃プラスチックを集約し、高度選別を実施
- - 現在の目標: 高品質再生材の製造と効率的な循環モデルの検証
(3) 中小地域
中小地域では、家庭廃棄物の回収量は少ないものの、地域コミュニティの協力が得やすく、住民による分別排出が進めやすい特徴があります。
- - 実証内容: 地域住民参加による分別排出を基盤とし、広域的な回収システムを実証
- - 目指すもの: 共同型の循環モデルの構築
3. 今後の実施計画
本実証事業は2026年2月まで続き、その成果を報告書としてまとめる予定です。また、2026年度以降には、実証データに基づき循環型ビジネスモデルの実装を進め、全国的な展開を目指します。
4. お問い合わせ先
このプロジェクトに関する詳細は、株式会社三菱総合研究所までご連絡ください。
東京本社: 〒100-8141 東京都千代田区永田町二丁目10番3号
エネルギー・サステナビリティ事業部門 GX本部
メール:
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広報部:
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