エキュメノポリスの設立とそのミッション
早稲田大学発のスタートアップ「エキュメノポリス」は、社会的知能を持つ会話AI技術を駆使して、Society 5.0の実現を目指しています。この企業は人間とAIが豊かに共存できる社会を提案し、様々な場面での自然な会話体験を実現しようとしています。
先進的な会話AIエージェントプラットフォーム
エキュメノポリスが開発している会話AIエージェントプラットフォームには、以下のような革新的な機能があります:
- - 意図推定:音声や視線情報などを分析し、ユーザーの意図を的確に把握します。
- - インタラクション制御:ユーザーがどのタイミングで発話を続けるか判断し、会話をスムーズに進行させます。
- - 発話動作生成:ユーザーの発話内容に応じた非言語的なリアクション(頷きやジェスチャー)を生成し、より自然な会話を実現します。
- - 会話能力判定:ユーザーのコミュニケーション能力を評価し、学習支援にも役立てます。
これらの機能により、ビデオ会議やメタバース環境など様々なシーンでの会話体験が可能となり、今後は窓口業務や小売などの多様な分野での応用が期待されています。
言語学習支援エージェントInteLLA
特に注目すべきサービスは、会話AIエージェント「InteLLA」です。このエージェントは、言語学習者に対してリアルタイムで会話を調整し、効果的に能力を引き出すことを目的としています。2023年に製品版のリリースを予定しており、すでに大規模な実証実験が行われています。
InteLLAは、ユーザーがウェブブラウザを通じて気軽に会話を始めることができ、自然な発話のタイミングや適応的な対話戦略により、言語学習者が潜在的な会話能力を最大限に発揮できるようサポートします。また、InteLLAは「QS-Wharton Reimagine Education Award 2021」の能力判定部門で銅賞を受賞した実績もあり、教育界でも注目されています。
多様な学問背景を持つ創業チーム
エキュメノポリスの創業チームは、様々な専門分野を持つメンバーから構成されており、音声対話システムや自然言語処理の専門家、VR/AR技術者などが参加しています。代表取締役の松山氏は、早稲田大学で博士号を取得後、カーネギーメロン大学などでの先駆的なプロジェクトを手掛けた経験を持ち、AIやロボット分野での研究開発に特化した体制が整っています。
創業支援と将来の展望
また、エキュメノポリスは早稲田大学提携のVCとともに創業準備を進め、事業のブラッシュアップを推進してきました。さらに、他のスタートアップとのシナジー効果を見込んでいることから、今後の成長が期待されています。
今年の5月には、東京ビックサイトで開催されるAI・人工知能EXPOに出展し、InteLLAのデモ体験を通じて自社のビジョンと技術を広く紹介する予定です。
まとめ
「エキュメノポリス」は、AI技術を通じて人間と共同で活動する新たな社交的空間を提供することを目指しており、深化するデジタル社会において重要な役割を果たすことが期待されます。言語学習の効率を改善し、ビジネスや教育のさまざまな場面での活用が進められる事例を横目に、今後の展開に目が離せません。