全国的に広がりを見せている海洋ごみの問題。長野県岡谷市では、一般社団法人海と日本プロジェクトin長野が主催したイベント『桂川・相模川 ごみ調査』が2025年10月18日に開催され、約60人の子どもたちが参加しました。このイベントは、川を通じて海洋ごみ問題を考える機会を提供するための取り組みです。
イベントの概要
参加者たちはまず、桂川・相模川流域の調査を行い、源流から河口までのごみの実態を学びました。海なし県である長野県から、どうやって海の環境問題に目を向けるのかを学ぶ重要なプログラムです。日本財団の『海と日本プロジェクト・CHANGE FOR THE BLUE』の一環として、地域の環境意識を高めるためのイベントが継続的に実施されています。
さらなる学び:マイクロプラスチック調査
イベントの一環として、子どもたちは諏訪湖で見つかったマイクロプラスチックごみについても学びました。2024年から始まったこの研究では、湖畔でのごみ拾いを通じて、微細なごみの量と種類を確認し、特に肥料カプセルや人工芝の破片が多く見つかりました。子どもたちは「こんなに小さいとは思わなかった」と驚きの声を上げました。
二つの県の協力
諏訪湖は天竜川の源流であり、ごみ問題はひとつの県にとどまらないことを強調しました。桂川と相模川は、異なる県を流れるが、流域協議会が設置されており、県境を越えて協力してごみ削減に取り組んでいます。このような連携が強化されることで、川と海の環境を保護する意識が育まれていくのです。
山中湖での清掃活動
調査の最初のステップとして、山中湖を訪れました。この観光名所はごみが多く発生し、最上流部にはごみを止めるための柵が設けられるほど。観光地としての課題も抱えながら、地域の協力を得てごみ問題に取り組む姿勢に感心しました。
津久井湖でのダム管理の取り組み
次に訪れた津久井湖では、ダム管理者からごみの撤去活動について説明を受けました。台風時には大量のごみがダムに溜まるため、特別な対策が必要とのことでした。しかし、台風の少ない年はごみの発生が抑えられるといいます。そうした現場の管理がどのように行われているかも、参加者にとって貴重な体験となりました。
相模川の河口でのごみ拾い
昼食後は、相模川の河口でごみ拾いを行いました。ここでは河口近くのごみが海に流れ込むのを防ぐための作業です。参加者は短時間で20キロのごみを回収、少しでも海洋ごみの問題解決に寄与できたと満足する声が聞かれました。子どもたちは「もっとごみを減らさなければ」と意識を高めました。
地域・世代を超えた連携
この取り組みを通じて、岡谷こどもエコクラブは諏訪湖や他県との連携を深めています。源流から河口までの連携があり、下流域の人々とも結びついて海洋ごみ問題に立ち向かう姿勢を身につけました。この貴重な経験は、海の環境を守るための意識を育てる助けとなり、地域一体での行動が不可欠であることを教えてくれました。
このように、長野県の子どもたちは、自分たちの手で海洋ごみ問題に向き合う機会を得ました。未来を担う世代が、海と環境を守るために日々努力している姿に感動を覚えます。