中高生が企業でインターンシップに挑戦
名古屋市南区に本社を置く特定非営利活動法人障がい者みらい創造センターでは、知的障がいや発達障がいを持つ中高生を対象にしたインターンシップの取り組みを行っています。このプログラムは、参加者が実際の職場を体験し、働く力や社会性を身に付ける貴重な機会を提供しています。実際、参加者は企業での体験を通じて、自らを知り、将来に向けた新たな可能性を発見することができます。
企業と連携したインターンシップの狙い
障がい者みらい創造センターが運営する「みらせんジュニア教室」は、特別支援学校などの生徒を対象にした放課後等デイサービスとして知られています。特に、就労訓練を重視したプログラムを提供しており、地域の企業からの内職を通じて、中高生たちは実社会での職務に取り組む機会を得ています。シール貼りや製品の梱包、組立など多岐にわたる業務を通して、実際の仕事の雰囲気を体験できるのが特徴です。
インターンシップの特徴
みらせんジュニア教室が実施するインターンシップは、全国的にも珍しい取り組みです。特に就職を目指さない生徒も参加でき、多様な職場体験をすることで「仕事を知る第一歩」となっています。利用者は、チームで企業を訪問し、支援者がサポートすることで不安感を軽減し、安心して参加できます。
さらに、受け入れ先の企業は、障がい者雇用に積極的な姿勢を持つところが多く、新たな雇用機会を開拓することにもつながっています。実際にインターンシップを体験した学生の中には、これをきっかけに就職へとつながったケースも少なくありません。
夏のインターンシップと報告会
2025年の夏休みに行われたインターンシップでは、太陽電化工業やBOOKOFF PLUSなど5社で、約30名の中高生が3〜5日間の職場体験をしました。参加者たちは、企業からの指導を受けながら、実際の仕事を体験し、自分自身の課題にも気づくきっかけになったようです。インターンシップの最終日には、企業から評価シートが手渡され、参加者はそのフィードバックを受け取ることで、自分の成長を確認することができました。
終了後には、みらせんジュニア教室全体でインターンシップ報告会を開き、参加者たちが自らの体験を振り返るとともに、感謝の気持ちを企業に伝えました。「もっと自分の可能性を広げたい」という意欲のある声も多く、参加者の成長が感じられました。
竹内理事長の思い
このインターンシップを立ち上げた理事長の竹内亜沙美氏は、教員時代に一般企業への就職が難しい現実に直面し、障がいのある人々が平等に挑戦できる社会の実現を目指しています。「自分の得意・不得意を見つけながら、挑戦する力を持って成長してほしい」という竹内氏の思いは、今後の参加者たちに大きな影響を与え続けることでしょう。
このような取り組みは、障がい者にとって新たな道を拓くとともに、社会全体の意識を変えるきっかけとなるかもしれません。今後も「障がい者みらい創造センター」から目が離せません。