三菱電機とカワダの共同研究
三菱電機株式会社と株式会社カワダは、廃プラスチックの再利用に向けた新たな共同研究を開始しました。この取り組みは、家庭から排出されるプラスチックの効果的なリサイクルを目指し、持続可能な社会の実現に寄与することを目的としています。
共同研究の背景と目的
日本は2019年に「プラスチック資源循環戦略」を策定し、2035年までに使用済みプラスチックの100%をリサイクルまたはリユースすることを目指しています。しかし、現状では我が国の廃プラスチックの約半分がサーマルリサイクル、すなわち熱エネルギーとして再利用されています。
このような中、三菱電機はこれまで培った家電リサイクル技術やプラスチックの質感を活かした素材づくりを進め、カワダは日本発の環境素材「rise resin®」を使用した製品開発を行うことで、両社の強みを生かしながらリサイクルプロセスの確立を目指しています。
具体的な取組内容
この共同研究の一環として、2024年8月29日から9月1日まで開催される「東京おもちゃショー2024」では廃プラスチックを用いた試作品を展示する予定です。また、家庭で不要となった玩具の回収も実施します。これにより、プラスチックの組成を調査し、リサイクルプラスチックを利用した新たな製品の開発が進められます。
研究の内容及び役割分担
この共同研究では以下のような内容が予定されています。
玩具由来のプラスチック組成を調査し、高品質な資源再利用を目指します。
家電由来のリサイクルプラスチックを原料とし、カワダの製品開発の経験を活かして玩具の試作を行います。
三菱電機は不要な玩具の回収やプラスチック選別を行い、一方でカワダはリサイクルプラスチックによる玩具の試作を担います。この役割分担により、効果的なリサイクルプロセスの構築を狙います。
持続可能な社会の実現に向けて
今後、東京おもちゃショー2024での受容性調査を通じてリサイクル材料の可能性を探り、多様な用途でのリサイクル材の適用拡大を目指していきます。そして、2025年3月には回収したリサイクルプラスチックの物性調査を完了し、新たな適用先製品の検討を開始する予定です。
この共同研究は、環境問題に対する意識が高まる中で、プラスチック資源の有効活用や新たなエコ技術の開発に向けた重要な一歩となるでしょう。三菱電機とカワダの連携は、持続可能な未来を築くのに欠かせない技術革新へと結びつくことが期待されます。