丹波篠山城跡南堀のハスが復活!15年ぶりの開花、夏の風物詩が帰ってきた
兵庫県丹波篠山市にある篠山城跡南堀。かつては一面にハスが咲き乱れ、夏の風物詩として親しまれていましたが、2005年頃に突如消滅してしまいました。その原因は、外来種のミシシッピアカミミガメによる食害と推測され、長らく人々の心を痛めるものでした。
しかし、地域住民や行政、研究機関の連携により、15年ぶりにハスが復活を果たしました。2013年に地元の小学生が「こども会議」でハスの復活を訴えたことがきっかけとなり、市は本格的な調査と駆除に乗り出しました。
外来種駆除と環境改善の取り組み
2014年から、市や市民、事業者、神戸大学が一体となり、「農都ささやま外来生物対策協議会」を設置。ミシシッピアカミミガメの駆除を本格化させました。網に餌を仕掛けた誘引わなを設置したり、市民と共同でかいぼりイベントを実施したりするなど、様々な方法で駆除に取り組みました。5年間で1221匹のミシシッピアカミミガメを捕獲することに成功しました。
さらに、水位の調整、土壌・水質の分析、肥料の施用実験、種レンコンの移植なども行い、ハスが生育しやすい環境を整えました。
復活したハスの美しさ
こうした地道な努力が実を結び、2019年の夏には、15年ぶりにハスが開花しました。地域住民の喜びは大きく、再び夏の風物詩として人々を魅了しています。現在では、南堀を埋め尽くすほどのハスの群生が見られ、かつての美しい風景が蘇りました。
復活の象徴、地域の宝
篠山城跡南堀のハスの復活は、地域住民の努力と行政、研究機関との連携によって成し遂げられた、素晴らしい成果と言えるでしょう。外来種問題や環境保全への意識を高め、地域の宝である自然環境を守っていくことの大切さを改めて認識させてくれます。
観賞のポイント
今年もハスの開花が始まりました。7月下旬から8月中旬にかけて見ごろを迎える見込みです。ハスは午後になると花弁を閉じてしまうため、観察の際は午前中に行くのがおすすめです。
篠山城跡南堀
住所:丹波篠山市東新町15-1
是非、丹波篠山城跡南堀を訪れて、復活したハスの美しさをご堪能ください。