健康な牛が生み出す本物の美味しさ
気仙沼から広がる「幸せな牛の時代」は、持続可能な畜産とアニマルウェルフェアを使命に活動しています。このブランドは、霜降り肉の生産過程での疑問から始まりました。日本の多くの肉牛は運動を限制され、処理前にはビタミンA不足となる育成法が一般的です。このような状況下で成長した牛が、果たして本当に美味しい肉を提供するのか、私たちは疑問を抱くに至りました。
「アニマルウェルフェア」とは?
「アニマルウェルフェア」とは、動物の福祉を考えた概念で、動物が生涯を通して幸せに生きることを意識することが重要視されています。酪農家として育った経験から、牛は私たちの家族同然であり、牛の健康が極めて重要であると考えてきました。私たちの目指すのは、牛が健康的に生きることで得られる肉の美味しさを多くの人に知ってもらうことです。
きたろうが教えてくれた幸せの味
2019年、私たちはブラウンスイスの乳牛に黒毛和牛の種を用いて得た雄牛「きたろう」を育てました。彼は自由に遊ばせ、地元の牧草を中心に育てられました。この取り組みの中で、30ヶ月の歳月をかけ、彼を大切に育てようという信念が育まれました。きたろうは、地元の子どもたちにも親しまれる可愛らしい存在でした。
屠畜後には、母親のような気持ちから悩むこともありましたが、やがて彼の肉を食べることで、命が循環することの意味を再確認しました。その肉は弾力があり、柔らかく、深い旨味を感じるものでした。この体験を通して、私たちは肉を育てることの大切さを痛感しました。
規格外の肉にも価値を
私たちは、従来の肉の規格基準には沿わない交雑種の牛肉も提供しています。この「規格外」の肉は、一般的には評価されないことが多いですが、実際には深い旨味と良質な食感を持っています。その魅力を伝えていくことが今の私たちの使命だと考えています。
現在、私たちは30ヶ月飼育したミックスの雄牛「きたろう」と、60ヶ月飼育したブラウンスイスの未経産牛をブロックの形で販売しています。今後は、賛同いただける飲食店や精肉業者とのつながりも大切にしていきたいと考えています。私たちの取り組みをぜひ多くの人に知っていただき、広めていくお手伝いをお願いできれば幸いです。
詳しい情報は
小野寺ファームのウェブサイトをご覧ください。私たち「幸せな牛の時代」は、持続可能な未来のために、牛と人間の幸せな関係を築いていくことを目指しています。