東京メトロと住友商事、エリザベスラインの運営事業を受注
2023年10月、東京メトロと住友商事は、英国の地下鉄「エリザベスライン」の運営事業を共同で受注したことを発表しました。この新たな取り組みは、両社が共同設立した事業会社「GTS Rail Operations Limited」を通じて行われ、出資比率はGo-Aheadが65%、東京メトロと住友商事がそれぞれ17.5%となっています。運営は2025年5月から始まり、契約期間は最長9.5年にわたります。
エリザベスラインの概要
エリザベスラインは、「エリザベス女王在位70周年」を記念して開通された新しい地下鉄路線です。ロンドンのヒースロー空港と中心部を結び、全長117km、41駅を有します。2022年に全線が開通し、2023年には2.1億人以上が利用しました。利用者数は2030年には2.5億人を超える見込みです。
東京メトロの海外進出
東京メトロは、東京都内に9路線195.0km、180駅を運営しており、海外鉄道事業への参画は今回が初めての進出です。過去には、ベトナム・ハノイの都市鉄道会社設立支援など、海外への技術提供やコンサルティングを行っていました。今回のエリザベスラインの運営は、東京メトロにとって大きな成長のきっかけとなるでしょう。
住友商事のグローバル展開
住友商事も、長い歴史を持つ総合商社として、1940年代から鉄道関連事業に携わってきています。現在は世界65カ国で活動しており、特に東南アジアや米国での鉄道関連ビジネスに注力しており、2020年にはフィリピンで初めての鉄道O&M事業にも参画しました。エリザベスラインの運営を通じて、日本の優れた鉄道技術を国際舞台で発揮することを目指しています。
競争力のあるパートナーシップ
GTSのパートナーであるGo-Aheadは、英国を中心に鉄道とバスの運営を行っており、そのシェアはロンドン市内でもトップを誇ります。東京メトロが培った質の高い交通運営技術と住友商事の豊富な経験を融合することで、エリザベスラインの運営効率を向上させ、ロンドンの公共交通の発展に寄与するでしょう。
結論
東京メトロと住友商事の新たな挑戦は、単なる運営事業にとどまらず、国際的な都市発展に貢献する重要なステップです。公共交通インフラの質が向上すれば、利用者にとっても利便性が増し、結果的に地域経済の活性化にも繋がることが期待されます。今後の展開に注目が集まります。