いわきFCと新たなステージへ、LocationMindの参画によるスタジアム構想
位置情報分析サービスを提供するLocationMind株式会社が、スポーツ庁の「スポーツオープンイノベーション推進事業(SOIP)」に参画し、福島県いわき市での新スタジアム建設プロジェクトに貢献します。このプロジェクトは、いわきFCと株式会社YELLOWとの協力により実現され、地域課題の解決と持続可能なまちづくりを目指しています。
SOIP2025事業の全貌
この事業は、いわきFCが推進する新スタジアム建設計画の一環です。いわき市小名浜港のアクアマリンふくしまに隣接する約2.8ヘクタールの敷地に、収容人数8,000から10,000人に対応したJ1基準のスタジアムを2031シーズン開幕までに建設する予定です。スタジアムは単なる試合会場にとどまらず、地域の価値を創造する「実験場」としての役割を担います。
スタジアムの特徴とコミュニティとの連携
スタジアムのデザインには、メイン・ホームスタンドとビルディング棟を含む3方向観客席、アウェー側を多目的広場として利活用するプランが盛り込まれています。また、5階建ての複合型ビルディングも併設され、市民からの1,500件を超える意見を反映した市民参加型の設計プロセスが行われています。
人流データ分析によるアプローチ
本プロジェクトでは、さまざまな人流データ分析手法を用いて新スタジアムの設計を最適化し、地域課題を解決します。主な手法は次の通りです:
1.
ビーコン設置による流動性把握: スタジアム内外の移動パターンや滞留状況をリアルタイムで分析します。
2.
GPSによるOD分析: 来場者がどこから来てどこへ向かうのか、そして周辺施設への影響を測定する分析を行います。
3.
ファンクラブアンケート: 来場者の行動を把握し、改善点を見いだすため、交通手段やアクセスに関する意見を集めます。
4.
チケットデータ分析: 購買行動と来場パターンを結び付けて分析し、データベースから有益な情報を抽出します。
期待される成果と地域貢献
短期的には、スタジアム周辺の交通渋滞の緩和や駐車場の最適化、来場者体験の向上が見込まれています。中期には新スタジアム設計へのフィードバックやCO2排出量の削減を実現し、地域の商業・観光施設へも好影響を与えることでしょう。さらに、長期的にはJリーグ全体への影響を及ぼすモデルを構築し、スポーツとデータを融合させた持続可能な地域づくりを目指します。
今後のスケジュールとLocationMindの取り組み
2025年から2026年にかけてのインキュベーション期間中、いわきFCのホームゲーム6試合においてデータの収集と分析が行われ、最終的には2026年2月に成果を発表する予定です。
LocationMindは、位置情報分析を通じて、地域に根ざした社会問題の解決を目指し続けるカンパニーです。そして、これからのスポーツDXの進展を支える力強いパートナーとして期待されています。益々進化するいわきFCの新スタジアム構想に、今後も注目していきたいと思います。