鹿嶋市が挑む新たなふるさと納税型クラウドファンディングの全貌と可能性
茨城県鹿嶋市が新しい取り組みを開始しました。市とクオン株式会社、ボーダレスジャパンが共同で行うこのプロジェクトは、返礼品競争に偏ることなく、地域の実情やニーズに応じた「使い道ファースト」のふるさと納税型クラウドファンディングです。これは、地域住民の生活者の声を反映させた画期的な試みと言えるでしょう。
「KASHIMA Colorful Base」とは
このプロジェクトは、鹿嶋市とクオンが共同で運営する「KASHIMA Colorful Base」というファンコミュニティに基づいています。コミュニティは2021年10月に設立され、現在約5.5万人のユーザーが参加しています。特筆すべきは、参加者の99%以上が市外在住者で、主に20代から50代の年齢層が中心となっていることです。
このコミュニティでは、生活者の意見を集めて実際の市の施策に活用しています。今回のふるさと納税型クラウドファンディングも、その取り組みの一環です。生活者の声をもとに、地域のニーズに対応したプロジェクトを選定し、寄附を募る流れになっています。
「使い道ファースト」のクラウドファンディング
この新しいふるさと納税型クラウドファンディングは、2024年10月1日から2025年3月31日まで行われる予定です。地域の使い道を重視し、寄附目標額は1,800万円で、具体的には9つのプロジェクトが設定されています。これにより鹿嶋市は地域される課題を解決し、住民が求める生活環境の向上を目指しています。
ファンコミュニティから集まった生活者の声から抽出されたキーワードによると、住民が求める要素は、医療へのアクセスや子育て支援、治安や環境の向上など多岐にわたります。これにより、鹿嶋市は行政が「当たり前のこと」を「当たり前」として実施することを求めていることが明らかになりました。
支援者からのコメント
このプロジェクトには、多くの注目が寄せられています。株式会社メルカリの取締役会長である小泉氏もこの取り組みを応援し、「新たな挑戦が生まれることを期待しています」とコメントしています。鹿嶋市は過去にもクラウドファンディングで成功を収めており、今回の試みも注目です。
地域の活性化へ向けて
「ふるさと納税forGood」での寄附を通じて、生活者が自分の寄附が「鹿嶋の誰かの役に立っている」と実感できることを目指しています。鹿嶋市経済振興部の茂垣氏は、この取り組みを通じて地域課題の解決や地域経済の活性化を図る意向を示しています。これは「返礼品の選択肢を超えた、エモーショナルなふるさと納税体験」を提供することが目的です。
まとめ
鹿嶋市の取り組みは、地域住民の声を反映しつつ、地域のニーズに適応しようとする新しい形のクラウドファンディングであり、今後の発展が楽しみです。このプロジェクトの成功は、他の自治体にも影響を与えるかもしれません。地域課題に対する新たなアプローチは、全国進行中のふるさと納税制度の再考にもつながることでしょう。ぜひ、心のこもった寄附を通じて、持続可能な地域づくりに参加してみてはいかがでしょうか。