外科医の視覚支援を革新する「EUREKA α」
アナウト株式会社が開発した手術用画像認識支援プログラム「EUREKA α(ユーリカアルファ)」が、2024年の日経優秀製品・サービス賞で最優秀賞に輝きました。このプログラムは、外科医が手術中に疎性結合組織の位置や領域をリアルタイムで認識するのを助けるために設計されています。特徴的な点は、手術映像を解析し、医師に対して強調表示で情報を提供することです。
2024年4月12日に厚生労働大臣から製造販売承認を受けた「EUREKA α」は、日本で初めての試みとして、ユーザーが手術中の解剖学的構造物の位置を直感的に把握できる支援ツールとなりました。これにより、手術精度の向上だけでなく、患者の安全性も大幅に改善されることが期待されています。
疎性結合組織について
「EUREKA α」の革新性の一端を担うのが疎性結合組織の重要性です。この組織は、全身に広がる線維性の構造物であり、臓器同士を結びつける役割を果たしています。手術中には正確な剥離操作が必要とされ、外科医はこれらのランドマークを常に意識することが求められます。特に日本の外科医の間では、この剥離層の理解が手術の安全性を高める要素と広く認識されています。
日経優秀製品・サービス賞について
毎年行われる「日経優秀製品・サービス賞」は、新製品やサービスの中で特に優れたものを表彰するものであり、2024年で43回目を迎えます。今年の審査では、技術革新や効果、社会への影響などが重視され、多くの優れた候補の中から「EUREKA α」が受賞しました。
技術的な裏付けと支援体制
「EUREKA α」は、内視鏡システムや手術支援ロボットから受け取った映像を分析し、通常のモニターではなく特定のサブモニター上に疎性結合組織を強調して表示します。この技術は、胃、大腸、鼠径ヘルニア手術など、多岐にわたる手術に対応可能です。外科医はこの情報を通じて、より確実な手術を行うためのサポートを受けます。
また、20以上の医療機関と共同研究を重ね、エキスパート外科医からのデータを基にしたディープラーニング技術を駆使して開発されました。この技術開発には、東京都やNEDO、川崎市といった公的機関の協力も得ています。
アナウト株式会社について
「EUREKA α」を開発したアナウト株式会社は、2020年に設立され、専門の外科医、エンジニア、事業の専門家などが結集し、外科医療に新たな価値をもたらすことを目指しています。「Eureka」という名の通り、患者を救う革新を探求し続けており、今後も外科医の強力なパートナーとして、さらなる技術革新とサービス提供に努める意向です。
詳しい情報や製品については、
アナウトの公式サイトをご覧ください。
お問い合わせ
「EUREKA α」に関する質問は、アナウト株式会社のセールスマーケティング部へお問い合わせください。担当者が丁寧に対応いたします。