医療介護の採用問題
2019-09-24 17:00:24

医療・介護業界の採用問題を考える:高騰する手数料とおとり求人の実情

はじめに


近年、医療や介護業界での採用に関する問題が深刻化しています。特に、高騰する人材紹介会社の手数料や、おとり求人によるトラブルが注目されています。本記事では、これらの実情を詳しく探り、業界関係者の声や背景を解説します。

人材紹介会社の手数料の現状


人材紹介会社の手数料は、介護職・看護師ともに年々増加しています。例えば、介護職の採用費が年収の30%以上になる割合は、2018年にはわずか2.8%でしたが、2019年には14.5%にまで達しました。看護師の場合も、同様の傾向が見られ、「30%以上」が2018年の5.7%から11.9%に増加しました。これに伴い、人材紹介会社を利用する施設も増加していることが分かります。

おとり求人の実態


おとり求人とは、実際には存在しない求人を掲載することで、求職者を集めようとする手法です。調査によれば、約半数の医療・介護施設が無断でおとり求人に利用されている経験があると答えました。具体的には、「希望した求人情報に対し、問い合わせたところ既に終了していた」というケースが約64.4%、「問い合わせた求人情報とは異なる求人を案内された」という経験も66.1%という結果が出ています。これは、事業者と求職者の間での情報の非対称性を示しており、業界全体の信頼性を損ねる要因となっています。

依存度と課題


医療・介護事業者は人材紹介会社に依存せざるを得ない状況も浮き彫りになっています。高い手数料にもかかわらず多くの事業者が依然として人材紹介サービスを利用しています。「おとり求人は是正されるべきか?」という質問には、98%以上の事業者が是正が必要と回答しますが、実際に声を上げづらいという現状も存在します。

実際、経営者たちは採用手数料が経営に与える負担について懸念を示しています。埼玉県の病院では、過去に人材紹介会社の利用を控えたが、結局は必要な職種で人材を集めるのに再び依存せざるを得なかったことが語られています。東京都の病院でも同様に、過去に高いコストが問題となり、代替手段としてウェブ広告を利用するようになったものの、いざという時には依然として人材紹介サービスが必要であるという実情があります。

2025年問題と採用市場


加えて、2025年頃には団塊世代が高齢者化し、医療費や介護サービスの需要が高まると予測されています。この状況下、医療・介護業界では働き手が減少し、採用費がさらに高騰する可能性があります。本来、こちらの資金はサービスの質向上や職員の待遇改善に使われるべきですが、現状は採用費に充てられているため、業界全体の持続可能性が危ぶまれています。

新たな取り組み


こうした問題を受けて、「コメディカルドットコム」などの新しい取り組みも生まれています。これは、高騰する採用費の抑制や、おとり求人の是正を目指すプロジェクトです。今後は業界内外への周知活動を進めつつ、行政への働きかけも行われる予定です。

おわりに


医療・介護業界の採用問題は、今後ますます深刻化する可能性があります。業界全体での取り組みが求められる中、関係者間での協力や改善策が急務といえるでしょう。次回は、これらの問題に対する具体的な対策を考えていきます。

会社情報

会社名
セカンドラボ株式会社
住所
東京都新宿区西新宿3-2-7KDX新宿ビル7F
電話番号
03-6908-8361

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