グリー、ゲーム事業をWFSに統合し、新たな成長戦略へ
2024年11月、グリー株式会社は、ゲーム事業の抜本的な再編を発表しました。ライブサービスゲーム事業において、WFS、ポケラボ、グリーエンターテインメントの3社を統合し、WFSが事業運営の中核を担う体制へと移行するのです。
この再編は、単なる組織変更ではありません。それぞれの企業がこれまで培ってきた技術力やノウハウを結集することで、より質の高いゲーム体験を提供し、市場競争力を高めることを目指す、大胆な戦略転換なのです。
具体的には、2025年1月1日より、WFSが3社のライブサービスゲーム事業を統合運営します。ポケラボはWFSの子会社として存続し、グリーエンターテインメントはアニメ制作やIPプロデュースに注力する体制になります。
さらに、コンシューマーゲーム市場への本格参入も発表されました。WFSとポケラボのコンシューマーゲーム事業を統合し、新会社「GREE Studios」を設立。マルチプラットフォーム化が進むコンシューマーゲーム市場において、グリーグループのユーザー基盤拡大と事業成長を目指します。
各社の役割と今後の展望
WFSは、統合されたライブサービスゲーム事業の中核を担い、各社の技術とノウハウを活かした高品質なゲーム開発と運営を推進します。ライトフライヤースタジオブランドで培ってきたRPG開発の経験を活かし、更なる成長を目指すと見られます。
ポケラボは、WFS傘下での継続運営となります。「SINoALICEーシノアリスー」や「アサルトリリィ Last Bullet」といった実績を活かしつつ、WFSとの連携強化により、新たなタイトル開発も期待されます。
グリーエンターテインメントは、アニメ制作やIPプロデュースに特化することで、グリーグループのIP戦略における重要な役割を担います。アニメIPを中心とした事業展開を強化し、グローバル展開にも意欲を示しています。
GREE Studiosは、コンシューマーゲーム市場を開拓する新たな戦力となります。WFSとポケラボのノウハウを結集し、PCゲームや家庭用ゲームソフト市場で存在感を高めることが期待されています。
グリーの戦略と狙い
グリーの今回の事業再編は、市場環境の変化に対応するための戦略的な選択と捉えることができます。ライブサービスゲーム市場の競争激化とコンシューマーゲーム市場の成長という二つの潮流を踏まえ、それぞれの分野で最適な体制を構築することで、より効率的な事業運営と収益の最大化を目指しているのです。
また、グリーは2025年1月1日より持株会社体制に移行し、「グリーホールディングス株式会社」に社名変更します。この移行も、事業ポートフォリオの最適化と成長戦略の推進に貢献するでしょう。
まとめ
グリーのゲーム事業再編は、単なる組織変更ではなく、今後の成長に向けた重要な転換点と言えるでしょう。WFSを中心とした新たな体制のもと、ライブサービスゲームとコンシューマーゲームの両面で積極的な事業展開を展開し、市場における存在感を高めていくことが期待されます。今後の動向に注目しましょう。