EXORPHIAが医療界に革新をもたらす
株式会社EXORPHIA(エクソーフィア)が、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「ディープテック・スタートアップ支援事業(DTSU)」において選ばれた。この助成を受けて、同社は体外受精の成功率を大幅に向上させるための新しい培地を開発中である。この技術はエクソソーム(EV)を用いて、受精卵の育成を助けることを目的としている。
不妊症の深刻さと課題
日本では近年、晩婚化が進み、それに伴い不妊に悩むカップルの数が増加している。実際、約4組に1組が不妊症とされ、これは社会全体においても大きな問題となっている。現在の体外受精(IVF)の平均成功率は13.8%とされ、特に高齢女性の成功率はさらに厳しい状況にある。40歳では10%、42歳ではわずか5%というデータが示すように、年齢が高くなるにつれて生児を得ることが難しくなる。
卵子が胚盤胞に育つ確率も約2割と低く、特に高齢女性では卵子の数が少なくなるため、移植の機会は減少する。このような背景から、受精卵の成長を促進し、健康的な胚盤胞を増やす技術が急務となっている。
EXORPHIAの革新技術
EXORPHIAが開発したEVを含む培地は、受精卵の生育を劇的に助ける成分を豊富に含んでいる。この培地は、マウス実験において胚盤胞到達率が従来の培地と比べて3倍以上向上することが確認されており、その効果が期待される。さらに、EXORPHIAは医薬品グレードの製造プロセスを確立しており、実用化に向けての準備が進められている。
DTSU事業の採択後のステップとして、実験動物や余剰胚を用いて安全性と効果を徹底的に検証し、臨床現場での信頼性を確立する計画だ。これらの研究成果は学会での発表や論文投稿を通じて、広く世界へと発信される予定である。
ターゲット市場の広がり
EXORPHIAの製品は、国内で年間約50万件、米国で約39万件が行われている体外受精市場をターゲットとしている。需要が高まる中で、体外受精の成功率を高める革新的な技術を提供することで、医療機関や患者への大きな価値を提供することを目指している。
EXORPHIAのビジョン
EXORPHIAのミッションは、「エクソソーム技術を用いて医療に革新をもたらし、健康課題を解決することである。この一環として、同社は不妊治療だけにとどまらず、肺疾患の治療薬や次世代ワクチン、薬剤送達技術など、医療分野全般にわたって技術の展開を進めている。
新たな医療の未来を切り拓くために、EXORPHIAでは優秀な研究者を求めており、自社のミッションに共感できる仲間を歓迎している。共にEV創薬の分野で革新を推進し、次世代医療を実現させよう。
お問い合わせ
この件についての詳細は、株式会社EXORPHIA広報担当まで。Email: inquiry@exorphia.com
またNEDO事業の詳細は
こちらから確認できる。