東京大学のITサポート窓口がZoom Contact Centerを導入
2025年2月26日、日本の名門、東京大学がZoom Communicationsの提供するZoom Contact Centerを導入したことが発表されました。この取り組みは、学内のITサポート業務を効率化し、教員と学生の円滑なコミュニケーションを実現するためのものです。
uteleconプロジェクトの概要
東京大学の「uteleconプロジェクト」は、学内で利用される各種ITシステムやサービスに関する様々な質問に対応する組織です。学生が主体となり、教職員がサポートを行う形で運営されています。「急にログインできなくなった」「授業で試してみたいツールは何か」といった問い合わせに対応し、新入生から教員まで幅広い層を支援する役割を果たしています。
このような活動を支えるのが、Zoom Contact Centerです。プロジェクトの導入背景には、従来のサポート体制の改善が挙げられます。コロナ禍により大学が休校を余儀なくされ、オンライン授業の環境整備やデジタルツールの使い方に関するサポートが急務となった結果、学生と教員が一丸となって困りごとをサポートするプロジェクトが立ち上げられました。
問題点と解決策
以前は異なるシステムによって管理が分散し、対応先が不明確であったため、ユーザーにとって利便性が低いものでした。加えて、問い合わせ数が増加する中で、スタッフの負担も大きくなり、業務の効率化が求められていました。そこで、電話やチャットなど複数のアプリを使い分ける煩わしさから解放されるための新たなツールの必要性が高まりました。
Zoom Contact Centerは、そんなニーズを満たす製品として選ばれました。導入決定には、実績や信頼関係も影響しました。実はZoom Contact Centerの国内導入は初のケースであり、その際には日本語マニュアルの整備などの課題もありました。それでも、学生からのフィードバックを受けつつ、トライアル期間を経て導入が進められました。
Zoom Contact Center導入後の効果
1.
一元化による業務効率化
アプリの一元化によって、ユーザーからの問い合わせを一つのプラットフォームで管理できるようになり、業務の効率化が実現しました。これまでのように複数のアプリを切り替える必要がなくなりました。
2.
キュー管理機能による業務量の均等化
勤務中のユーザーの中から、最近稼働が少ない人を優先して呼び出す機能により、業務負担の軽減が図られました。これにより、特定のスタッフに業務が集中することが減少しました。
3.
転送機能の活用
対応が終わらなかった場合でも、次の担当者への引き継ぎが簡単に行えるようになりました。これにより、スタッフの作業負担が軽減されています。
4.
円滑なコミュニケーション
Zoomの製品による高品質な通話と動画の提供は、相談者とのスムーズなコミュニケーションを支えており、問題解決のスピードを向上させています。
うまく導入が進んだZoom Contact Centerですが、現在はメール問い合わせのみ別のシステムを使用しています。今後はこのシステムと連携することが期待されており、さらなる業務効率化が見込まれています。
まとめ
このように、Zoom Contact Centerの導入は東京大学のITサポート体制を大きく変革するものでした。新型コロナウイルスの影響を受けた中での変革には困難も伴いましたが、学生からの反応やフィードバックを反映させたことが成功の要因と言えます。今後も高まるデジタル化の中で、柔軟に対応できる体制を整えていくことが期待されています。