調査概要
株式会社IRODORIが運営する介護ポータルサイト『介護のススメ』は、一般社団法人日本単独居宅介護支援事業所協会と共に、231名の現役ケアマネジャーを対象に「利用者家族の仕事と介護の両立支援」に関する実態調査を実施しました。この調査から、家族介護者が介護と仕事の両立に直面する厳しい現実が浮き彫りになりました。
主な調査結果
調査では、71.0%のケアマネジャーが家族から「仕事と介護の両立」に関する相談を受けていることが明らかになりました。この相談の多くは、仕事を続けられるかの不安や退職の判断を巡るもので、61.6%のケアマネジャーが「仕事を続けられるか不安」と感じる相談を受けています。さらに、37.2%が「退職すべきか迷っている」と回答しました。
特に、63.3%のケアマネジャーが介護を理由に家族の働き方の変更を経験しており、その対応の中心はサービス時間の調整です。しかし、4人に1人が「対応が難しい」と感じていることも分かりました。これは、現場での時間調整だけでは不十分であることを示しています。
企業制度の把握不足
調査結果の中で特筆すべきは、利用者家族の勤務先の介護支援制度について、78.8%が「把握していない」と回答した点です。さらに、企業制度を把握しているのはわずか2.2%に過ぎません。一方で、83.1%のケアマネジャーは企業と連携する仕組みがあれば介護離職の防止に役立つと考えています。
このことから、介護者家族は企業の支援制度にアクセスする機会が乏しく、情報不足によって職場での相談が進まずコミュニケーションが不足しています。相談すること自体が難しい環境が、離職や心理的ストレスの原因となることが懸念されます。
今後の支援体制の必要性
調査に参加したケアマネジャーたちは、企業側の支援が重要であると口を揃えています。特に、介護に直面する前に予防的な役割や、介護する家族が声を上げやすい環境を整えることで、企業・地域・行政が協力して支援を行う必要性が訴えられています。
また、介護に関する支援が育児と同じように社会全体で認知されることが求められています。調査を通じて浮かび上がったこの新たな支援体制への期待は、今後の社会のあり方にも影響を与える可能性があります。
まとめ
この調査は、実際の支援の在り方や介護と仕事の両立についての理解を深める手助けとなるでしょう。家族が介護を続けながら仕事を両立させるためには、情報を共有し、サポート体制を整えることが肝心です。これにより、介護を必要とする家族が安心して働ける環境を作っていくことが必要であり、今後の介護業界にとって重要な課題であることが再確認されました。
【調査概要】
- - 調査名:利用者家族の仕事と介護の両立支援に関する実態調査(第1回)
- - 調査時期:2026年5月~6月
- - 調査方法:オンラインアンケート
- - 有効回答数:231名
- - 回答者属性:現役ケアマネジャー(経験10年以上 64.1%、3~10年 29.9%、3年未満 6.1%)