物流業界を変革する無線接続XRグラスによる作業効率向上の挑戦

株式会社NTT QONOQ（コノキュー）と株式会社ディーエムエス（DMS）は、無線接続のXRグラスを活用した「ピッキング補助アプリケーション」を開発し、物流倉庫での作業効率の向上を目指しています。本プロジェクトでは、特に熟練度の低い作業員の作業効率が約11%向上することが確認されました。

無線接続XRグラスの利点

無線接続方式のXRグラスは、作業員に対してリアルタイムでナビゲーション情報を提供します。これにより、作業員は目の前の物品を瞬時に把握でき、効率的にピッキング作業を行うことが可能となります。この技術は、物流業界において初の試みであり、今後の展開に期待が高まっています。

意義深い実証実験

DMSが運営する物流倉庫で実施された実証実験では、作業員が「ピッキング補助アプリケーション」を使用する場面を想定し、無線接続XRグラス「MiRZA」を活用しました。作業時には、ピッキングリストからJANコードを読み取り、それを基にQRコードを使用してナビゲーションが表示されます。このシステムによって、作業員は指示に従い、迅速に商品をピックアップすることができました。

作業効率の向上

実施の結果、熟練度の低い作業員の作業効率が約11%向上したことが確認されました。グラスを装着した状態と装着しない状態での比較分析を行い、作業体験者からのフィードバックも収集しています。これらのデータを元に、さらなる機能改善が予定されています。

物流業界の課題

現在、少子高齢化が進む日本において、物流業務の効率化は喫緊の課題です。特にピッキング作業は時間がかかり、改善が求められています。2025年には熟練者の不足が顕在化すると予想されており、これに対応する技術的革新が必要とされています。

国際物流総合展2025での体験会

開発した「ピッキング補助アプリケーション」は、2025年9月に開催される「国際物流総合展2025」で体験することができます。来場者はXRグラスを着用した状態でのピッキング作業を実際に体感することができます。このイベントは、業界内での新たな技術の普及を促進する重要な機会となるでしょう。

企業の役割分担

コノキューはアプリケーションの企画・開発を担当し、DMSは実証フィールドの提供や実際の作業におけるアプリケーションの運用を行っています。この協力によって、革新的な物流ソリューションが生まれたのです。

今後の展開

これからは、ピッキング補助アプリケーションの機能をさらに拡充し、新たな作業工程にも対応できるようにしていく方針です。入庫・検品作業への活用を見込むことで、物流のトータル効率化を実現。XR技術の導入がもたらす未来に期待が高まります。

本記事に関するお問い合わせは、NTTコノキューもしくはディーエムエスの各担当者までご連絡ください。