2025年上期のセキュリティ求人動向
概要
プロフェッショナル人材の採用支援を行う株式会社コトラが、2025年上半期のセキュリティ求人トレンドを徹底分析しました。セキュリティ分野の求人は増加傾向にあり、特にハイクラスな求人の需要が高まっています。
求人増加の背景
「ゼロトラスト」の導入が進む中、デジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組みや、M&Aによる新たな企業の責任者求人が目立っています。これにより、セキュリティ人材の需要は年々高まっています。特に年収1,000万円を超える高年収帯の求人が注目されています。
セキュリティ人材の市場動向
職種の多様化
セキュリティの職種は多岐にわたり、組織によってその役割が異なります。求人数の推移を見ても、特に2020年以降、事業会社やSIer(システムインテグレーター)の求人数は大幅に増加しています。また、コンサルティング業界の中で、ITリスクやガバナンスに特化した職種の需要が高まっています。
グローバルな法規制への適応
個人情報保護法やEUのGDPRなど、グローバルな法規制への対応が求められる中、企業はNISTの基準を利用して社内のセキュリティ体制を整える必要があります。これに伴い、サプライチェーンセキュリティの重要性も増しています。
ハイクラス求人の増加
2021年以降、全体の求人の中でも年収1,000万円以上の求人の割合が高まっています。中でも、即戦力として多様な業務に対応できる人材が求められています。コロナ禍を経て、IT部門の予算確保が進んだことで、ゼロトラスト環境の構築が急速に進んでいます。
業界別の求人トレンド
コンサルティングファーム
コンサルティングファームにおけるセキュリティ人材の需要は特に顕著です。多くの企業でゼロトラストが導入されたことにより、経験豊富なセキュリティコンサルタントが求められています。また、サイバーセキュリティやセキュリティ対策に特化した求人の増加も見られます。
SIer・ベンダー
SIerやベンダーにおいても、EDRやSIEMといったセキュリティソリューションの需要が増え、求人が増加しています。リモートワークの普及により、セキュリティ技術者の必要性も増しています。
金融機関・事業会社
金融機関や事業会社でも、サイバーセキュリティの専門家が求められています。特に中途採用に積極的な企業が増加し、安全対策やDX推進の観点から、セキュリティスキルを持つ人材が必要とされています。
2025年下期の展望
セキュリティ人材の市場は競争が激しくなっています。求められる人材には専門的な知識だけではなく、アジリティやビジネス感覚も必要です。今後の採用市場において、高度な資格保有者の評価がさらに高まることが予想されます。
コンサルタントの紹介
中川 貴史
金沢大学大学院を卒業後、大手通信企業でSEとしての経験を積み、現在はコトラでセキュリティ関連の求人支援に従事しています。業界の最新動向を踏まえた分析に定評があります。
会社情報
株式会社コトラは、プロフェッショナル人材の採用・活躍支援を通じて企業の成長を助ける企業です。多様な人材ソリューションを提供し、クライアントと人材の最適なマッチングを目指しています。