大学発テクノロジー企業が経営人材不足を克服するためのアプローチ
2026年7月30日、東京都目黒区に本社を置く株式会社スタートアップクラスがCIC Tokyoにて、TeSHとの共同セッション「TeSH × ACADEMIA STARTUP NIGHT」を開催しました。本イベントでは、最近の大学発ベンチャーの動向と、その発展における「経営人材不足」という課題に対しての解決策が提案されました。
大学発ベンチャーの現状と課題
経済産業省の調査によれば、大学発ベンチャーの数は過去最高の6,220社に達しています。しかし、事業化や資金調達を担うプロの経営層が不足していることが、成長の足かせとなっている現状があります。この背景には、大学の研究成果を社会に活かすための起業・事業展開が必要とされているものの、経営視点を持った人材が少ないという課題があります。
ビジョンマッチングの重要性
セッションでは、特に「ビジョンマッチング」の概念が取り上げられました。ディープテック領域では、社会実装までに5〜10年の時間がかかるため、経営人材を引き寄せるカギは、待遇や条件面ではなく、研究者が捉える社会課題解決への「ビジョン」に共感することだという考察がなされました。これは、経営者が研究者のビジョンを理解し、自らの専門性を活かして共に社会課題に立ち向かう姿勢が必要であることを示唆しています。
経営人材参画による事業加速の実績
具体的な成功事例として、金沢医科大学の西園啓文准教授が発表した特定波長の光で精子を活性化させる技術があります。この事例では、海外の不妊治療機器会社出身の経営人材が参画し、米国企業との協業が進んでいます。また、金沢工業大学の赤坂剛史教授による翼付きドローンの開発でも、参画した経営人材ともに実証実験を進めており、事業化に向けた弾みをかけています。
成功要因の明確化
この成功の背後には、経営人材を引き寄せるための研究者の姿勢が影響しています。「目指す社会像を自身の言葉で語ること」「未完成な部分や必要な支援を明確かつ素直に提示すること」が、経営人材とのマッチングの成功を導く要因として挙げられました。
参加者の声
赤坂氏のチームに参画した経営人材候補は、「特殊なスキルはなくても、研究者の描く夢に共感できるかが重要」と語っており、実際に参加した経験からこの分野の魅力を訴えました。
「まだ世に出ていない技術を形にする中で、自身の経験を活かせる機会がここにある。社会的意義のある挑戦に賭けたいと思っている方には、ぜひ一歩踏み出してほしい」とのメッセージも印象的です。
今後の行動へ
このように、スタートアップクラスは共同セッションを通じて、大学発スタートアップの経営人材不足という課題に真摯に向き合っています。さらなる交流の機会が提供される予定で、2026年10月26日には、研究者と経営人材候補の対面マッチングイベントが東京で開催されます。このイベントでは、直接の交流から新たな発見が生まれ、今後のビジョン実現へと繋がることが期待されます。
「次の100年を照らす、100社を創出する」というミッションのもと、スタートアップクラスはこれからも大学発ディープテックの事業化支援をサポートし続けます。