新たな治療法!アルコール依存症に対するTMS研究が始動
アルコール使用障害は、現代社会における深刻な精神疾患の一つです。飲酒の制御が難しくなり、自身の健康や行動、さらには職場での問題にまで波及することがあります。従来の治療法には、行動療法や薬物治療、自助グループによる支援がありますが、十分な効果を得られずに途中で治療を断念する方も少なくありません。そこで、短期間で顕著な改善が望める新たな治療法の必要性が高まっています。本記事では、慶應義塾大学医学部の新たな研究についてご紹介します。
反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)療法の登場
最近、特に注目を集めているのが、反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)療法です。rTMSは、主にうつ病に対する治療として日本で認可されていますが、海外の研究ではアルコール依存症にも効果があるとの報告が増えています。これを受けて、慶應義塾大学精神・神経科は、rTMSがアルコール使用障害にどのように寄与するのかを明らかにするためのオープンラベル介入試験を本格的に開始しました。
研究の概要
この研究は、アサヒクオリティーアンドイノベーションズの支援を受け、アルコール使用障害と診断された20歳から65歳未満の患者を対象とします。初めに脳波やMRIでの測定を行い、その後3週間にわたり週5回のrTMS治療を受けていただきます。その後の24週間にわたって治療の有効性や副作用を評価し、総合的に約7ヶ月にわたって参加してもらう予定です。
参加方法とお知らせ
この研究に参加を希望される方や質問がある方は、登録フォームからお申し込みが可能です。参加希望者には、研究の担当者からメールまたは電話で詳細な案内が行われます。研究の具体的な内容や基準についての説明を受けた後、参加決定となれば、実施機関までご来院いただきます。
実施機関及び連絡先
研究は慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室が担当します。ご不明な点などがあれば、以下の連絡先までお気軽にお問い合わせください。
まとめ
この新しいrTMS治療研究により、アルコール依存症の治療に光が差し込むことが期待されています。短期間での効果向上が見込まれるこの試みが、依存症に悩む人々の新たな希望となることでしょう。今後の成果に大いに期待したいところです。