米の価格高騰と消費行動の変化
近年、米の価格が急激に上昇しており、消費者の購買行動に影響を与えています。株式会社mitorizの調査によると、米を食べる頻度や代替主食の選択肢に変化が見られることが明らかになりました。
調査の背景
米の価格は、この1年間で約2倍に達しており、消費者は価格高騰を敏感に感じています。この変化が、日常の食生活にどのように影響しているのかを探るため、mitorizは消費者購買行動データサービス「Point of Buy(POB)」の会員3,008人を対象に米に関する調査を実施しました。
食べる頻度
調査によると、米を「毎日食べる」と回答した人は53.3%で、8割以上が週5日以上米を食べていることがわかりました。このことから、米は依然として日本人の食卓に欠かせない存在であると言えます。しかし、米を「食べる頻度が減った」と感じる人も多く、全体の35.9%が食べる頻度の減少を報告しています。
価格高騰の実感
米の価格高騰を実感している人は90%以上にのぼり、年代が上がるごとに強く実感している傾向がうかがえます。特に60代以上では85.9%が「実感している」と回答しており、経済的な影響をより強く受けていることが示されています。
購入時に重視する点
米を購入する際に最も重視されるポイントは「価格」で78.7%が挙げられました。消費者は「安い店を探す」ことが多く、米の価格に敏感に反応しています。それでも、約18.5%の人は「価格を気にせずに購入している」と回答しており、消費者の中には価格高騰にかかわらず、普段通りの購入を選んでいる方もいます。
主食の代替選択
米の価格が高騰し続ける中、消費者が代替品として選びたい主食は「うどん」が68.7%と圧倒的に人気です。その次に「パン」が67.1%となっています。年代別に見ると、若い世代では「イモ類」や「シリアル」を代替主食として選ぶ人が多いことが明らかになり、食の選択肢が広がっていることが分かります。
米の価格推移
調査データに基づくと、米5㎏の平均価格は2024年中に約2倍に上昇。2025年にもさらなる値上がりが予想され、消費者にとって大きな負担となることが懸念されます。これによって、今後の食文化や農業の在り方にも影響が出ることが予想されます。
結論
米の価格高騰が消費者の食生活に大きな影響を与えています。頻繁に食べられていた米が減り、代替主食が選ばれる現状は、日本の食文化に新たな変化をもたらしています。消費者の購買行動の変化を理解することが、今後の製品開発や市場戦略にも重要となることでしょう。