がん研有明病院の新たな取り組み
公益財団法人がん研究会有明病院は、2025年度から2026年度にかけて外来治療センターとトータルケアセンターの拡張工事を行うことを発表しました。1934年にがん専門病院として設立されて以来、同院は「がん克服をもって人類の福祉に貢献する」という信念のもと、革新を続けています。本記事では、これらの拡張計画について詳しく紹介します。
外来治療センターの拡張
背景
近年、外来での薬物療法の実施件数は増加傾向にあり、2014年度の約30,000件から2023年度には約37,000件に達しました。これは新薬が導入されることで外来での治療がより普及したためです。また、内視鏡手術やロボット支援手術の導入が進んだことで入院日数が短縮し、迅速な治療が可能となりました。
拡張の内容
この拡張工事では、5階西病棟を廃止し、分散していた外来治療センターを1か所に集約します。これにより、患者の利便性を向上させ、治療環境を整備します。
新設施設:個室や処置室、ベッド4床の新設に加え、パウダーコーナーとしての身だしなみを整えるスペースが展開されます。
面積の増加:現620㎡から1,073㎡に拡張し、ベッド数も75床から83床に増設されます。
運営効率化:調剤室を移設することで、運営の効率化も図ります。
トータルケアセンターの拡張
背景
がん患者が治療を受けながらも自分らしい生活を送ることが重要視されており、相談件数も増えてきています。入退院支援件数は2019年度の約20,000件から2023年度には約25,000件に増加しました。
拡張の内容
トータルケアセンターでは、現在分散している支援機能を1か所に集約し、ワンストップでの支援を提供します。
相談ブースの充実:対面スペースを15ブースから20ブースに増設。
カウンセリング機能:専用相談室を増設し、排便障害外来やアピアランスケア用の試着室も新設します。
面積の増加:トータルケアセンターも285㎡から564.4㎡に拡張され、より多様な支援が可能になります。
がん研究会の理念
がん研究会は、がん治療の進歩を目指し、新薬開発や臨床研究に取り組んでいます。これは、患者とその家族に最適な医療とサポートを提供することが目的です。今後の拡張計画により、さらに充実した医療環境が実現されることでしょう。
2026年度のさらなる改修工事については、詳細が決まり次第お知らせする予定です。患者や家族への支援が一層向上することを期待しています。