AI技術で建設業務が変わる！外壁タイル接着率判定システムの進化

外壁タイル接着率判定システムの新たな展開

最近、株式会社Athena Technologies（以下、Athena）との共同開発により、いつでもどこでも検査業務が効率化される新しいシステムが誕生しました。これは、長谷工コーポレーションとスパイダープラス社が手掛ける「外壁タイル接着率判定システム」向けに開発されたもので、AI技術の力を利用して、建設業の現場を大きく変革する可能性を秘めています。

従来の課題と新システムの意義

外壁タイル接着率判定システムは、有機系接着剤を使用した外壁タイルの施工において、その接着力を検査するためのシステムです。これまでのアプローチでは、現場の検査員が目視で接着状況を確認し、合否判定を行っていたため、検査精度にバラつきが生じたり、工数がかかることがありました。さらに、検査記録の作成も時間がかかり、工程全体の効率性を損なう要因となっていました。

AI画像認識技術の導入

Athenaが開発した新たなAI画像認識機能では、スマートフォンで撮影した画像をもとに接着剤の充填状況を自動的に判定し、数値化することが可能です。これにより、色彩の近いタイルと接着剤を目視で確認する難しさを克服し、より客観的かつ高精度な判断が実現します。このシステムは、接着率のばらつきを判定することができ、結果は自動的にデータ化されるため、記録作業の負担を大幅に減少させます。

例えば、従来825分の業務が約330分に短縮され、検査業務に要する時間が65％削減される結果となりました。この短縮や効率化は、技術が進化している建設業界において、競争力を高める要素となります。

未来に向けた展望

Athenaの代表取締役CEOである阿部武氏は、今回のシステム開発について「建設現場における品質保証と作業効率化を実現する重要な取り組みです」と述べています。彼は、AI技術を活用して人の経験や勘に頼らず、再現性と透明性の高い検査プロセスを構築していくことの重要性を強調しています。また、建設業の安全性と品質の強化だけでなく、労働力不足の解消への寄与にも期待を寄せています。

Athenaは、今後もパートナー企業との共創を通じて、技術の進化を促し、建設業界をはじめとする社会インフラ全体の持続可能な発展に貢献していくことでしょう。最新のAI技術が、どのように私たちの生活をより良くしていくのか、その展開を見守りたいところです。