GMOペパボが実現した次世代の動作認識システム
GMOペパボ株式会社と横浜国立大学の研究チームが、ストレッチャブルデバイスと人工知能(AI)技術を組み合わせた新しい動作認識スマートシステムを発表しました。このシステムは、従来のストレッチャブルデバイスの課題を克服し、高精度なデータ測定を可能にするものです。
ストレッチャブルデバイスの意義
ストレッチャブルデバイスは、人体や変形する対象に密着させることができる柔軟なウェアラブルデバイスとして期待されています。しかし、これまでのデバイスは計測精度や再現性に限界があり、AIと組み合わせることが困難でした。
本研究で開発された「ストレッチャブルハイブリッドデバイス」は、硬質な集積回路(IC)と非常に柔軟な材料を組み合わせており、従来型デバイスと同等の測定精度を実現しています。
AIとの統合
このデバイスから得たデータをAI技術を使って分類することで、様々な動作を高い正答率で識別できることがわかりました。実験では、結び目の形状や書字、手話などを87%、98%、96%の正確さで識別しました。このように、リアルタイムでデータを収集し分析できる能力が、今後の応用を期待させます。
研究の背景と成果
研究チームは、ストレッチャブルエレクトロニクスに関する技術が進化する中で、データ再現性を高めるシステムの開発が必要不可欠であると認識しました。硬質センサーの柔軟化によって、このデバイスは2.5倍の長さに伸ばしても高い計測精度を保持することができるのです。
この新たな技術の導入は、動作認識だけでなく、医療やフィットネスなど多様な分野での応用が見込まれています。
期待される今後の展開
研究チームは今後、ストレッチャブルデバイスを用いたさまざまな知的システムの実現を目指しています。たとえば、健康状態のモニタリングや音声認識技術への応用が考えられています。また、柔軟エレクトロニクスが中心となる生体情報の解析においても、AIの活用が鍵を握るでしょう。
この革命的なシステムの登場は、技術の進歩により私たちの生活をより便利にしていくことを示唆しています。2024年8月には、研究成果が「Device」誌に発表され、さらなる注目を集めることが予想されます。
まとめ
GMOペパボ株式会社と横浜国立大学の共同研究によって、ストレッチャブルデバイスとAIの高度な統合が実現されました。この新技術は、データ測定の精度を向上させ、今後のさまざまな分野での応用を促進するでしょう。柔軟エレクトロニクスと先進情報技術が融合する新たな時代が、すぐそこに迫っています。
参考文献
- - 論文タイトル: “Soft intelligent systems based on stretchable hybrid devices integrated with machine learning”
- - DOI: 10.1016/j.device.2024.100496
【GMOペパボ株式会社の公式サイト】
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