千葉大学生による新たな街づくりの提案
千葉大学工学部建築学コースの学生たちが、実践的な研究を通じて「歩きたくなる」街づくりに向けた新たなプロジェクトを始めています。この研究は、学生たちが自らの学びを活かし、地域に貢献することを目的としており、特に千葉県の山武地域で産出される山武杉を利用した独自の取り組みです。
これまでの経緯と背景
千葉大学大学院工学研究院建築学コースの松浦研究室が中心となり進められているこのプロジェクトでは、2024年度に行われる「民有地・公有地の一体型リノベーションまちづくり2.0のアクションリサーチ」と題された合同授業の一環として、具体的なプランが提案されました。設置場所は千葉駅前大通りの中央公園プロムナードで、2025年3月から2027年3月までの期間に実施されます。
設置内容と工夫
設置される「山武ベンチ」は、様々な形状に変更可能であり、使用する木材は令和元年に発生した房総半島台風で倒木した山武杉を活用しています。このように再利用された木材は、環境保護にも寄与し、地域の森林の再生を進める一助となっています。ベンチの設計には、「歩いて楽しい」と感じさせる工夫が凝らされています。
また、歩道内には飲食や休憩ができる「パークレット」も設置される予定です。以前は使用されていなかったケヤキの根元の不整なスペースを活用し、山武杉の床板を敷くことで平滑なスペースを作り出しました。加えて、スケートボード対策として作られたプランターボックスやスタンディングテーブルによって、床が盛り上がる独特なデザインとなっています。これにより、訪れる人々が楽しく過ごせる空間を提供します。
参加者と支援者
このプロジェクトには、様々な団体や機関の協力も得ています。千葉市役所や建築技術教育普及センター、千葉県森林組合などが参加し、学生たちの取り組みを支えています。また、千葉大学の他の研究室やコミュニティとも連携し、より多くの人が利用できる公共空間の創出を目指しています。
これからの展望
プロジェクトの実施により、地域に根ざした新たな価値を創出し、より多くの人々が心地よく歩くことのできる街づくりへと繋がることが期待されます。千葉大学の学生たちの挑戦が、街の活性化とともに、持続可能な開発の重要性を広めることにも寄与するでしょう。
学生たちは、この研究を通じて得た経験を今後のキャリアに活かし、地域社会に貢献する専門家として成長していくことでしょう。地域を歩く人々の笑顔を見られる日が、待ち遠しい限りです。