ローム株式会社(本社:京都市)は、革新的なアナログ小型近接センサ「RPR-0730」を発表しました。この新製品は、多様な民生および産業機器において必要とされる高精度と高速センシングを実現するために開発されました。「RPR-0730」は、反射型の小型近接センサであり、発光素子には、指向性の高い赤外VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser)を採用しています。これにより、非常に細かい対象物、具体的には0.1mm幅の微細線を、高速かつ正確に検出することが可能となりました。
このセンサは、従来のLED光源に比べて高精度なセンシング技術を提供します。特に、複写機やラベルプリンタなどでの印字検知、自動伝送装置での荷物や検体の物体検知、また産業機器用のロボットでのモータやギアの回転検知が求められる場面に対応できる仕様です。従来のデジタル出力タイプ「RPR-0720」に追加される形のこの製品は、センシングのスピードと精度を飛躍的に向上させています。
「RPR-0730」はパッケージサイズがわずか2.0mm×1.0mm×0.55mmと非常にコンパクトです。これにより、狭いスペースへの取り付けが容易であり、工場や屋外の光環境など、照明条件が変化しやすい場面でも安定した性能を提供します。特に、可視光カット樹脂が外乱光の影響を抑えるため、安定した検出精度を維持できます。
ロームは、今後も新技術への探求と製品の性能向上に努めていく方針です。新製品「RPR-0730」は2025年10月より量産が開始され、サンプル価格は税抜きで350円/個となっています。さらに、インターネット販売も行われており、コアスタッフオンラインやチップワンストップなどから簡単に入手可能です。
「RPR-0730」は、高機能化や自動化が進む現代の産業機器において、センシング精度の向上を果たすために不可欠な製品となるでしょう。特に、ラベルプリンタや検体搬送機、複写機においては、生産性の向上とともに、高速で正確な対象物の識別技術が求められるため、「RPR-0730」はまさにそのニーズに応える製品です。
最後に、この新製品の実用例として、ラベルプリンタでの印字検知や複写機での紙送り・紙詰まり検知、さらには自動検査装置における荷物の物体検知などがあり、用途は広範囲に及びます。ロームの開発した「RPR-0730」により、これからの工業用センシング技術が一層進歩することが期待されています。