大阪大学とNTTコノキューが挑むAR手術
2025年に開催される大阪・関西万博にて、大阪大学と株式会社NTTコノキューが共同開発したAR技術を用いた外科手術の新たな取り組みを展示します。テーマは「メタバース外科手術」。本展示では、XR技術を活用し、より高精度で患者の負担が少ない外科手術の実現を目指す研究成果をご紹介します。
1. 大阪・関西万博での展示内容
この取り組みは、NTTパビリオン内の関係者向け展示エリアで行われます。高精度な骨切りを実現するために、NTTコノキューが開発したXRグラス「MiRZA®(ミルザ)」を使用した体験が可能です。来場者は、手術のプロセスを学びながら、XR技術の効果を体感できます。
MiRZA製品ページを通じても詳細が確認できます。
2. 取り組み内容
[1] 背景
関節の骨の一部を切断し、それを矯正する「変形矯正骨切り術」は、従来の手法では医師の技術力に大きく依存しているため、位置や角度に誤差が生じることが課題でした。具体的には、切断箇所の位置誤差が10mm以下、切断角度の誤差が10°以下という精度が求められるため、手術の難易度が増していました。特に、患者のCT画像データをもとにした新手法が導入され、従来の骨切り術における課題を解決するための研究が進められています。
[2] 解決手法
NTTコノキューが提案したのは、AR技術を用いて骨切り断面を表示すること。これにより、物理的な手術ガイドがなくても、医師は高精度での手術を行えるようになります。具体的には、術野における高精度なトラッキングを行うための手法を構築し、XRグラスとマーカーを用いることによって、リアルタイムでの精密な骨切りが実現します。
[3] 現在の取り組み
現在、共同研究の成果を元に、臨床現場での導入を目指しています。1mm1°に近い精度を実現するためのシステムを構築し、臨床試験に向けた精度実験も行われています。このプロジェクトは、上肢骨折の手術を対象としていますが、将来的には全身への適用を視野に入れています。
3. 今後の展望
将来的には、整形外科手術全般における適用が期待され、骨折や人工関節の手術にも活用される可能性があります。NTTコノキューは、医療現場のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進し、XR技術を通じて新たな価値を提供していく方針です。
【会社概要】
株式会社NTTコノキューは、東京都千代田区に本社を置き、2022年10月から行動を開始しました。VR、AR、MRなどのXR技術を駆使し、メタバースやデジタルツイン、XRデバイスに関するさまざまなサービスを展開しています。興味をお持ちの方は、
こちらからお問合せいただければ、詳細をお知らせいたします。