メタバース技術を活用した新たな支援プロジェクトが始動
香川大学の小児科医や教育学部准教授、NPO法人の代表などで構成される「チームWonderMeta」が、小児がんと戦う子どもたちを支援する新プロジェクト『WonderMeta×PABLOS美術館』を立ち上げました。このプロジェクトは、メタバース(仮想空間)を活用し、子供たちが制作したアート作品を展示することで、社会的な交流や「わくわく」する体験を提供することを目的としています。2025年9月にはオンライン美術展とリアルイベントも開催予定です。
小児慢性特定疾病とは
小児慢性特定疾病は、長期的な治療や入院を必要とする病気のことを指し、症状や治療が生活の質を低下させることが多いです。病気による不安や治療の苦しさだけでなく、学校や日常生活への参加が制限されることで、子どもたちは社会的孤立を経験しやすくなります。WonderMetaプロジェクトは、こうした課題に対し、子供たちが創造的な活動を通じて社会とつながる機会を提供します。
プロジェクトの内容
本プロジェクトの特徴は、病室や自宅で制作したアートを、パブロス株式会社が手掛けるメタバース「PABLOS美術館」で展示することです。この美術館には、投票機能や謎解きクエストなど、楽しさを取り入れた参加型の要素が盛り込まれています。これにより、闘病中の子供たちはアートを通じた交流を楽しむことができ、心理的な負担を軽減することが期待されます。
また、作品のテーマは「空想いきもの図鑑」とされ、自由に生き物を描くことができます。作品の形式も絵画、工作、デジタルアートなど多岐にわたり、興味を持って取り組むことができるよう配慮されています。
作品応募は2025年8月10日まで受け付けており、展示はオンライン美術展(9月1日~20日)とリアル展示(9月28日)で行われる予定です。入院中の子供たちには、NPO法人未来ISSEYのボランティアが制作をサポートし、活動を広げています。
チームの背景
「チームWonderMeta」は、「新しい技術を使って闘病中の子どもたちにわくわくする支援を」という理念のもと設立されました。構成メンバーは、香川大学の小児科医や教育専門家が中心で、彼らは長期入院経験のある子どもたちが楽しみながら創造的な活動を行うことで、社会とのつながりを感じられるようサポートしています。
小児科医の川口幸穂氏は、「入院中の子供たちに、自分の作品を多くの人に見せてあげたいと思いました」と語り、メタバースの利用意義を強調。教育学部准教授の小西行彦氏は、メタバースアート活動が子供同士の交流機会を提供し、自己肯定感の向上に寄与すると述べています。さらに、NPO法人未来ISSEYの吉田ゆかり代表は、今回の美術館が子供たちやその家族に楽しみを提供し、込み入った状況での繋がりを感じる機会をもたらすことを願っています。
参加企業・団体を募集中
本プロジェクトは、協賛企業や団体を募集中です。興味がある方は公式ウェブサイトよりお問い合わせください。世の中の理解を深め、実際に活動を通じて子供たちに温かい支援を届ける機会となるこのプロジェクトに、力強いサポートを期待しています。
公式ウェブサイト:
WonderMeta
プロジェクトに込められた願いを実現するためにも、多くの参加が求められています。小児がんをはじめとする病気に立ち向かう子供たちに、希望を与える場としての役割を果たしていくでしょう。