Hubbit株式会社と刈谷豊田総合病院が医療の新たな形を実証実験で探索
Hubbit株式会社と医療法人豊田会の刈谷豊田総合病院が、入退院支援に関する実証実験に乗り出しました。この取り組みは、愛知県による「あいちデジタルヘルスプロジェクト」の一環として進められており、高齢者の健康維持とケア体制の向上を目指しています。
実証事業の背景
高齢者の再入院問題は、現代の医療機関が直面している重要な課題の一つです。厚生労働省によるデータによれば、要介護高齢者の場合、退院から1年間の再入院率は35.3%にも上ります。この背景には、医療機関がフォローアップできない状況や、多職種連携が不足していること、さらにITに不慣れな患者が必要な情報にアクセスしづらいという現実があります。
こうした課題を受けて、医療と介護の連携を強化する方法を考える中で、Hubbitと刈谷豊田総合病院は協力して、退院後の在宅ケアをより効果的に行うモデルを構築することを決定しました。特に、退院後の訪問看護やリハビリが再入院を防ぐ効果を持つという研究結果もあり、「ケアびー」の導入によりデジタル技術がどのように活用できるかを確認することが目的です。
実証事業の目的
この実証事業の主な目的は、利用者、家族、医療・介護関係者を「ケアびー」を通じてつなげることです。これにより、病院での治療から退院後の在宅ケアまで一貫した支援体制を整え、ケアの質と医療・介護の負担を軽減することが期待されています。さらに、実際に運用できるモデルを模索し、将来的な社会実装への道を開くことが目指されています。
「ケアびー」とは?
「ケアびー」は、利用者それぞれの身体機能や認知機能に応じて個別にカスタマイズされたコミュニケーションツールです。特に認知症を患っている方でも使いやすく設計されており、利用者は離れた家族や介護者と簡単に連絡を取り合うことができます。これにより、離れている時間でも安心して見守ることができる仕組みが整っています。
Hubbitのサービスは、高齢者の生活を支える重要な役割を果たすことが期待されており、医療従事者や患者の双方に大きな利点をもたらす可能性を秘めています。
あいちデジタルヘルスプロジェクトについて
この実証実験は、愛知県が推進する「あいちデジタルヘルスプロジェクト」の一環として位置付けられています。プロジェクトは産業界、学術界、行政、金融の連携を強化し、健康寿命の延伸やQOLの向上に貢献する多様なサービスを提供することを目指しています。
2023年には「あいちデジタルヘルスコンソーシアム」が設立され、70以上の団体が協力して新しいサービスの創出に取り組んでいます。これにより、愛知県全体の医療・介護領域にデジタル技術の浸透を図ることが期待されています。
このようにHubbit株式会社と刈谷豊田総合病院全体が協力し、再入院のリスクを低減し、より良いケア環境を実現することに向けたタイムリーな実証実験が始まっていることは、多くの人々にとって喜ばしいニュースです。今後の進展に注目です。