Pulse of Silence 第10回展「したたりとひたたり - Drip and Dwell」
2025年8月2日から8月11日まで、京都の両足院で特別に開催されるこの展覧会は、アート・コレクティブ「Pulse of Silence」によるものです。両足院は通常非公開の空間ですが、夜間の特別開放を通じて、静寂の中での美を再発見する機会を提供します。
このプロジェクトは、禅僧の伊藤東凌をメンターに迎え、アーティストの山田晋也とAntiques & Art Masaが中心となり展開してきた現代アートの試みです。彼らは日本の古来の文化に息づく静けさと美を、現代の感覚で再生しようとしています。その過程において、絵画やインスタレーション、さらには茶の体験など、さまざまな表現方法を用いて観客を魅了します。
「滴りと浸り」のテーマ
今展のテーマは「滴りと浸り」です。「滴り」はシンプルな出来事が静かな水面に波紋を生じさせ、見る者を思索へと導きます。一方「浸り」は、その出来事が内面的に浸透し、意識や感覚の変化を促します。この二つの動きは、私たちの日常の中で見逃しがちな現象に対して新しい視点を提供するものです。
静寂な場において、ほんのわずかな変化が深い気づきをもたらす様子を体験することで、観る側は新しい感覚を得ることができるでしょう。まるで静けさの中に自らの心の波紋が広がるような、不思議な体験が待っています。
特別な空間・両足院
両足院は、歴史を受け継ぐ京都の建仁寺内に位置し、ここでしか味わえない独特の空間を創り出しています。絵画やインスタレーション、パフォーマンスを通じて、観客が静寂と対話し、自らの内面に触れる時間を提供します。自然への畏敬の念と仏教の叡智が融合した現代のアニミズムの表現にも注目です。
入場料は1,000円で、学生は無料です。観覧時間は17:30から20:30までの間で、受付は20:00に終了します。歴史ある空間で、美と静寂の融合を体験するこの特別な機会は、夏のひとときに新しい感覚をもたらしてくれることでしょう。
アーティストたち
アーティスト山田晋也は、京都で生まれ育ち、豊和堂のアートディレクターも務めています。古い染織品の復元や奉納を手掛け、その背景には京都の深い美術的伝統が根付いています。また、Antiques & Art Masaは古美術のリメイクを手がけ、現代の生活に彩りを与える独自の手法を駆使しています。彼らのコラボレーションから生まれるアート作品は、観る者に新たな視点を与えることでしょう。
この夏、静寂が広がる両足院で、Pulse of Silenceのアート体験をぜひお楽しみください。